Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
太陽光発電や高集積デバイスなどエレクトロニクス産業においてシリコン半導体が主要材料となっている。更にはナノスケール化するデバイス分野においてシリコン半導体の主軸は揺るぎない。一般にシリコン単結晶ウェハーは1400℃以上の融液より結晶成長して作製される。また、アモルファスシリコンを利用して700℃の熱処理により多結晶シリコンが作製される。しかし、将来的にはシリコン多結晶体を用いたデバイスはポリマー有機高分子など低耐熱性を有する材料との組み合わせが要求されており、シリコン結晶の低温化作製技術は不可欠となっている。本研究目的は金属を用いた冶金学的アプローチによる(アモルファス)シリコンの結晶化および低温成長化である。具体的には、シリコンに対して固溶限が小さく、金属間化合物を形成しない共晶系である金属薄膜(アルミニウムや金)を用いて、合金の融点を低下させることでシリコン結晶化温度の低減(150℃)に成功した。透過電子顕微鏡を用いてシリコン-金属母相界面の結晶方位関係や成長形態について調べた結果、界面においてヘテロエピタキシャル方位関係を有していた。この整合界面形成はエネルギー的に安定であり、シリコン結晶化温度の低減化に大きく寄与したと推察された。デバイスへの応用に向けて、シリコン中への金属不純物は問題であるが、シリコンへの固溶限が極めて小さい金属を利用する本研究は、今後要求される多結晶シリコンの低温形成技術にも貢献できる。上記以外に本研究では、シリコン酸化物から金属を利用した還元法でシリコン三次元多孔質体作製についても研究を行い、通常のダイアモンド構造と異なる9R型多形構造の形成を発見した。
All 2011 2010
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)
Journal of the American Chemistry Society
Volume: 133 Pages: 4661-4663
Applied Physics Letters
Volume: 97