細胞内共生系における共生細菌置換の生理的・分子的背景の解析
Project/Area Number |
22770238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古賀 隆一 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 研究員 (80356972)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 細胞内共生 / エンドウヒゲナガアブラムシ / 二次共生細菌 / メタボローム / 人工感染 / 定量的RT-PCR |
Research Abstract |
本研究課題では,アブラムシの細胞内共生系において、宿主の生存繁殖に必須な一次共生細菌の欠損を宿主に必須でない二次共生細菌Serratia symbioticaが不完全ながら補えるという現象を、細胞内共生系進化における共生体置換のモデルとしてとらえ、なぜS.symbioticaがこのような機能を果たしうるのか、逆になぜ完全に代替することができないかを生理・遺伝子発現レベルで解析、宿主や共生細菌ゲノム情報を駆使して遺伝子レベルの変化にまで帰着させることを目指している。今年度はまず,選択的除去法と人工感染法を用いて,異なった遺伝的背景を持つが同じ由来のS.symbioticaに感染している系統を11作出した。次いで,これらの系統の一部について宿主アブラムシの成長に伴うS.symbioticaの感染動態を定量的PCRと蛍光in situハイブリダイゼーション法によって解析した。その結果,S.symbioticaの感染量が人工感染系統において約10倍程度に有意に増大し,その体内局在も乱れるが,個体ごとに非常にばらつきがあることを明らかにした。この結果は,S.symbioticaを元々保有するアブラムシ系統においては,宿主と共生細菌との間で何らかの適応があることを示唆している。また,次年度以降に予定していた宿主免疫機構と共生細菌体内密度、共生細菌の生物学的機能との相関の解析の一部を行った。その結果,免疫関係遺伝子の一部がS.symbioticaの感染に伴って変化するが,系統によっては逆の反応を示すなど,その程度は宿主アブラムシの系統によって大幅に異なることが分かった。今後,解析する系統を増やしたり供試する共生細菌の種類を変えたりすることで,この現象に理にかなった解釈を与えられるものと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)