Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
植物油脂生産量の中で最も高い割合を占めるダイズ油は、今後もその需要が増加すると予想される。ダイズ油の持続的な大量生産の為に、油脂含量の高いダイズを開発することは、育種分野の急務な課題の一つである。本研究では、早期に新品種の開発が行えるように、遺伝子組換えではなく逆遺伝学的手法によりダイズ油脂含量の増大を目指した。本年度は、逆遺伝学的手法であるTILLING法により目的に掲げた突然変異体を得る為に、新規なダイズ突然変異体ライブラリー(約4,500系統)の作出を行った。作出した突然変異体ライブラリーの有効性を検証する為に、複数の標的遺伝子を対象にTILLING法を行りた結果、今年度作出した変異体ライブラリーは約1.2Mbpに1つ変異があることが確認された。これは既存のライブラリーよりも変異密度は低いが、育種に利用する点を考慮すると、標的遺伝子以外への変異が低く抑えられる点により、育種利用に有効であると考えられた。実際にこれまでに作出した突然変異体ライブラリーと合わせて、ダイズ油脂の品質向上を可能にする標的遺伝子(GmFAD2-1b)の変異体を探索した結果、オレイン酸含量が20%から80%へ増加させることが可能となる新規な突然変異体を得ることに成功し、保有する突然変異体ライブラリーと改良TILLINGシステムの有効性が実証された。また、ダイズ油脂含量の増大を目指した突然変異体の単離の為に、ダイズ種子中の糖質代謝経路に着目し、ダイズ種子中における標的遺伝子群(ADP-グルコースピロホスホリラーゼ及びオリゴ糖代謝に関わるミオイノシトール-1-リン酸・ガラクチノース・ラフィノース・スタキオースの各合成酵素)の発現解析を行い、次年度にスクリーニングを行う標的遺伝子の選定を行った。
All 2011 2010
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)
Plant Breeding
Volume: (in press)
Breeding Science
Volume: 60 Pages: 419-425
10027120468