Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2011: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Research Abstract |
哺乳類の鋭敏な聴覚は,内耳に存在する外有毛細胞(outer hair cell: OHC)の伸縮運動に起因する.この運動能は,細胞側壁の膜タンパク質prestin(プレスチン)の構造変化で実現されると予測されている.しかし膜タンパク質の立体構造とその構造変化を計測する方法は確立されておらず,そのためprestinの構造変化メカニズムは解明されていない.そこで本研究では,原子間力顕微鏡(atomic force microscope: AFM)を用いてプレスチンの一分子構造および構造変化を直接計測できる技術を確立し,分子レベルでその構造変化メカニズムを解明することを目指す. 本年度は,膜タンパク質の構造変化を捉えることができる新たな原子間力顕微鏡(AFM)システム(パッチクランプAFM)を開発し,プレスチンの構造変化メカニズムを解明することを目的とし,AFM用膜電位制御デバイスの作製に取り組んだ.細胞膜電位の制御にパッチピペットを用いず,細胞を播種する基板に直接パッチ用の穴を設ける.パッチクランプ時に電気的漏れがない状態(ギガシール状態)を高効率で達成するため,当初計画では基板にborosilicate(ボロシリケイト)製のものを使用することを検討していたが,ボロシリケイトガラスは硬くて脆い材料であり,穴あけ加工が困難であった.そこで,計画を変更し,耐薬品性,耐電気特性が高い樹脂であるテフロン樹脂を用いて基板作製を試みた.その結果,直径~5μmの穴の開いた基板の作製に成功した.今後,作製したテフロン基板の膜厚や穴径の最適化を行い,基板上に細胞膜を単離し,その電気特性の計測を行う計画である.
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