内耳の形態形成・機能におけるヘパラン硫酸の役割の解明
Project/Area Number |
22791566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野口 直哉 Tohoku University, 医学(系)研究科(研究院), その他 (20333792)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | ヘパラン硫酸 / マウス内耳 / 免疫染色 |
Research Abstract |
ヘパラン硫酸は細胞表面や細胞外基質に分布する直鎖状の高分子多糖である。これまでに個体発生をはじめとする様々な生命現象にヘパラン硫酸が関与していることが明らかにされてきた。一方、内耳の形態形成や成熟個体の内耳機能におけるヘパラン硫酸の役割は明らかにされていなかった。 平成22年度はヘパラン硫酸に対する種々の抗体を用いた免疫組織化学法により、マウス内耳におけるヘパラン硫酸の局在を明らかにした。 ヘパラン硫酸の直鎖状糖鎖は多様な硫酸化修飾を受けており、これがヘパラン硫酸の多岐に渡る生理活性に重要とされる。糖鎖部分を認識することで全てのヘパラン硫酸分子種を検出する抗体(3G10)で染色したところ、ヘパラン硫酸はマウスコルチ器の基底板やライスネル膜に多く存在していることが解った。一方、ある硫酸化修飾パターンを認識する抗体(HepSS-1)で染色すると有毛細胞や支持細胞が染色され、さらに別の硫酸化パターンを認識する抗体(10E4)では主として蝸牛神経が染色されることが解った。 ヘパラン硫酸は多様な硫酸基を介し生理活性物質のシグナル伝達を調節することで胎生期の器官形成に必須の役割を果たすことが知られている。上記の結果は、マウス蝸牛では部位によって硫酸化様式の異なるヘパラン硫酸が局在していることを示しており、蝸牛の形態形成にヘパラン硫酸が重要な役割を担っている可能性が示唆される。同時に、分化した蝸牛各細胞の生理機能もヘパラン硫酸によって調節されている可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)