Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
舌は呼吸、嚥下、発話に関わる重要な器官であり「口の中の手」と呼ばれるように精巧な運動機能を持つが、複雑に交錯する舌筋の配置と変位については医療従事者にとっても直感的な理解が難しく、可視化の困難さのために内部構造の解析が遅れている。本研究では一般的に四肢の筋と骨格の運動がCG化されているものを参考にし、舌筋の配置とその運動を可視化できる3Dアニメーションツールの開発を行う。具体的には、磁気共鳴画像法(MRI)を用いて舌の静止状態の解剖図および運動時の変形をそれぞれ計測し、実データに基づく舌筋の変形を映像化する。初年度は、アニメーションCG作成経験のある倉立氏のアドバイスを得て、基礎モデルとなるためのMRIの撮像を行った。我々の計画するアニメーション作成のためには、1.初期状態のデータ収集(高精細MRI)、2.主な最終状態のデータ収集(低解像度MRI)、3.初期状態から最終状態へ変形を実現する変位データ(変位の格子データ:tagged-MRI)を利用する。まず1について舌筋の構造を可視化できる撮像法を用いて高精細MRIの撮像を行い、初期状態のモデルを作成した。また2についてターゲットとなる母音子音を含めた日本語約130異音の低解像度のMRIを撮像した。さらに本年度は3のデータは収集していないが、過去に撮像したデータを用いて初期状態と最終状態をモーフィングした2Dアニメーション動画を作成した。ただし現状では、2Dの画像モーフィングを利用しているため中間地点はやや不明瞭、またデータ操作が容易ではない、などの問題がある。今後はtagged-MRIデータなどの要素を加え、舌筋のコントロールポイントの自由度を増やし、よりわかりやすく、より操作しやすいツールを作成していく予定である。
All 2010
All Presentation (3 results)