Budget Amount *help |
¥1,625,000 (Direct Cost: ¥1,250,000、Indirect Cost: ¥375,000)
Fiscal Year 2011: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,235,000 (Direct Cost: ¥950,000、Indirect Cost: ¥285,000)
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Research Abstract |
近世日本における大名金融の実態解明を目指す本研究課題は,研究実施計画書にも示した通り,2つの段階を踏むことを想定している.第一段階が,個人研究として2年間を費やし,大名金融に関わる史料の収集・撮影・整理を行うものである.第二段階が,共同研究として史料解析,および成果の発表に臨むものである.研究活動スタート支援プログラムに助成されている研究課題は,ここで言う第一段階に当たり,その初年度である平成22年度においては,以下の成果を得た. 第一に,近世期大名貸に関する史料の撮影と解読が,計画通り進捗したことである.具体的には,九州大学附属図書館付設記録資料館,九州文化史資料部門所蔵「林田家文書」より,久留米藩の資金繰りに関わる史料62点,大阪大学経済史経営史研究室所蔵「鴻池善右衛門家文書」より,大名金融に関わる史料27点,同研究室所蔵「助松屋文書」より,幕府による大名金融に関わる史料3点,佐賀県立図書館所蔵「鍋島文庫」より,肥前藩の資金繰りに関わる史料5点を撮影し,整理する作業を完遂した.これらはいずれも近世日本における大名金融について記した第一次史料であり,特に融資を行う側と,受ける側の双方の史料を収集・整理したことは,今後の研究課題遂行において重要な意味を持つ.既存研究のように,いずれか一方の立場からの分析には止まらない点が,本研究の特徴だからである. 第二に,本来ならば次年度に着手を予定していたデータベース構築作業に,今年度から着手することができた点である.大名金融に関して,(1)年度,(2)債権者,(3)債務者,(4)金額,(5)期間,(6)利息,(7)担保の有無,及び内容(8)返済過程,の8点について整理することが,次年度の作業課題であったが,一部の案件については,作成に着手することができた.
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