Budget Amount *help |
¥2,652,000 (Direct Cost: ¥2,040,000、Indirect Cost: ¥612,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,482,000 (Direct Cost: ¥1,140,000、Indirect Cost: ¥342,000)
|
Research Abstract |
天候などに全く影響を受けないマイクロ波やミリ波レーダが注目されているが画像のように物体を識別することが困難であり,マイクロ波/ミリ波による物体検知・識別技術を確立することが望まれている.そこで本課題では超広帯域レーダにおいて,周辺車両,障害物,歩行者など複数の移動体を検知・識別する物体検知・識別技術を開発することを目的とする. 平成23年度は,バイク,自転車,歩行者(小型目標物)識別についての検討と実証実験を行った.平成22年度と同様にベクトルネットワークアナライザにより路上で複数移動体を走行させ実測データを取得しオンラインで解析を行った.検知・識別処理ではH22年度で開発した荷重パルス積分法と,H23年度で新たに開発したハフ変換による軌跡推定法を用いて小型目標物の検知・識別を行った.ここでハフ変換による軌跡推定法は,目標からの反射波信号軌跡を直線的に近似しドップラを推定するもので,移動目標物(相対速度を持つ目標)に対して効果的である.その結果,ドップラ速度情報からガードレールや路面などからの不要反射波(クラッタ)と目標物が分離識別でき,位置情報から目標物近傍でレンジゲートをかけ荷重パルス積分処理することで,新たに出現するクラッタを効果的に抑圧することができた.さらにハフ変換は特徴として弱い信号であったも直線近似できることから,厳しい路上環境(クラッタ強度が目標信号強度に対して非常に強い環境)でも小型目標物を正確に検出することができた.当初の計画では各種目標物の識別にレーダ反射断面積(RCS:Radar Cross Section)を用いる予定だったが,これらの情報を用いずとも上記のアルゴリズムで,接近する危険車両や二輪車や歩行者などの交通弱者を検知・識別できたことから,当初予定していた信号処理の複雑さを回避することができた.これは非常に大きな知見であった.
|