Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究では、窒化物半導体による『高効率青色面発光レーザによる白色光源』を目指している。現在、白色光源には窒化物半導体による発光ダイオードを利用するのが主流であるが、高電流注入時に変換効率が半減してしまう課題がある。本研究は、白色発光ダイオードよりも高効率な白色面発光レーザを実現し、この課題を解決するのが目的である。本年度は、面発光レーザ実現に不可欠な要素構造である「電流狭窄構造」と「多層膜反射鏡」の形成を進めた。電流狭窄構造のための低抵抗トンネル接合の形成を行った。不純物を1×10^<20>cm^<-3>以上ドープしたトンネル接合を作製した結果、そのトンネル接合を介した電流注入に成功し、発光層からの発光が確認できた。すなわち、ワイドギャップ半導体であっても高濃度ドーピングすることでトンネル接合が形成されていることを確認した。一方で、トンネル電流が不均一であること、さらに素子駆動時(20mA時)にはトンネル接合の電圧降下が7V程度と高いことがわかり、さらなる特性の改善が望まれる。高反射率多層膜反射鏡形成のために、従来用いられているGaNテンプレートに代わりAlNテンプレート上にAlN/GaN多層膜反射鏡を本研究にて初めて形成した。その結果、従来構造では高密度のクラックが生じ、反射率や素子サイズを大きく制限していたが、AlNテンプレートにすることで引張歪が抑制できクラックが大幅に減少した。本手法により、高い反射率を大面積で得られることが可能になり、窒化物面発光レーザの実現が大きく近づいた。一方で、表面荒れ(~5nm)が観測され、反射率は97%程度に留まっており、表面平坦性の改善によるさらなる高反射率実現が望まれる。
All 2011 2010
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)
名城大学理工学部研究報告
Volume: 51号 Pages: 60-67
40019831258