警告色多様性の創出・維持機構の解明:自然選択から中立進化へ
Project/Area Number |
22870015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
持田 浩治 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (60583474)
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,808,000 (Direct Cost: ¥2,160,000、Indirect Cost: ¥648,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,495,000 (Direct Cost: ¥1,150,000、Indirect Cost: ¥345,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,313,000 (Direct Cost: ¥1,010,000、Indirect Cost: ¥303,000)
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Keywords | 警告色 / 島嶼変異 / 緯度勾配 / 個体群動態 / 多様性 / 進化生態学 |
Research Abstract |
警告的動物は、目立つ体色や様々な警告形質を使って、潜在的な捕食者から身を守っている。この目立つ体色(警告色)の研究の中でも、多様性の進化は、最も説明の難しい現象の一つであるとされてきた。なぜならば、警告色は多型の存在しない"単型"であることで、最も防御効果を発揮するからである。近年、理諭・実験学的な研究は、局所的な自然選択の組み合わせが警告色の多様性を維持することを予測した。しかし、野生動物が時おり見せる警告色の広域な地理的変異に対して、この仮説の妥当性を検討したことは、これまで行われていない。そこで本研究は、イモリ属の2種(アカハライモリとシリケンイモリ)の形態的・行動的な警告シグナルの地理的変異と捕食圧を推定することで、上述の仮説の妥当性を検討した。その結果、アカハライモリの警告色と警告行動の島嶼変異は、局所的な捕食圧の違いによりうまく説明された。またアカハライモリの警告色には、捕食圧の影響とは独立に、緯度勾配が存在することが明らかになった。この緯度勾配には、環境温度や体サイズ変異、さらには各個体群の遺伝的背景などが複合的に影響していると考えられた。一方で、シリケンイモリの警告色と警告行動には、アカハライモリにみられたような、明確な地理的変異は検出されなかった。現在、シリケンイモリの警告シグナルの変異の駆動要因として、遺伝挙流動や遺伝的浮動といった個体群動態の影響に注目し、解析を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)