Project/Area Number |
22870037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
中山 卓郎 独立行政法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 特別研究員 (70583508)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2011: ¥832,000 (Direct Cost: ¥640,000、Indirect Cost: ¥192,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,638,000 (Direct Cost: ¥1,260,000、Indirect Cost: ¥378,000)
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Keywords | 細胞内共生 / オルガネラ化 / 窒素固定 / シアノバクテリア / 珪藻 |
Research Abstract |
Rhopalodia科珪藻は細胞内にSpheroid bodyと呼ばれる窒素固定に特化した構造を持つ。Spheroid bodyは細胞内共生シアノバクテリアに由来するが、既に"窒素固定オルガネラ"として珪藻細胞に統合されていると考えられており、細胞内共生を通じたオルガネラ獲得の進化機構を知る上で格好のモデルとなり得る。本研究では、Spheroid bodyおよび宿主珪藻の系統的多様性を解明するとともに、Spheroid bodyの全ゲノム配列解読を行うことにより、オルガネラ化における進化段階を明らかにする事を目標とした。本年度は、昨年度の研究において得られたSpheroid bodyゲノム配列の解析を主として行った。 次世代シーケンスによって得られたリードをアセンブルした結果、2.42MbpのSpheroid bodyゲノム配列を得た。今回のシークエンスではゲノム全てを解読するには至らなかったが、近縁なシアノバクテリアに見られる解糖系、TCA回路およびタンパク質合成に関わる遺伝子のうち約80%を発見した。このことはSpheroid bodyゲノムの大半の領域を取得できたことを示唆するが、それに対して光化学系I,IIおよびフィコビリソームのサブユニット遺伝子は発見できなかった。このことからSpheroid bodyがその進化の中で、不要になった光合成関連遺伝子を失った可能性が考えられる。また、今回の解析では膜輸送系や二成分制御系などの細胞外との相互作用に関わる遺伝子の多くも見つからなかった。これらの遺伝子が欠失する傾向は、Spheroid body同様シアノバクテリア由来のオルガネラであるPaulinella chromatophoraの有色体ゲノムで確認されており、外環境に暴露されることのなくなった細胞内共生者ゲノムに共通して起こる事象であるかもしれない。
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