Budget Amount *help |
¥2,938,000 (Direct Cost: ¥2,260,000、Indirect Cost: ¥678,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,404,000 (Direct Cost: ¥1,080,000、Indirect Cost: ¥324,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,534,000 (Direct Cost: ¥1,180,000、Indirect Cost: ¥354,000)
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Research Abstract |
精子幹細胞であるGS(Germline Stem)細胞は精子形成能を保ったまま試験管内で安定に増殖する。このGS細胞は培養中に多能性幹細胞であるmGS(multipotent Germline Stem)細胞を生じる場合がある。GS細胞からmGS細胞へ変化する機構は不明である。本研究では低分子RNAによるリプログラミング遺伝子の制御に着目し、低分子RM機構がmGS細胞化を制御するかどうか調べるとともに低分子RM機構の破綻によるmGS細胞誘導を試みた。平成22年度に低分子RNA経路関連遺伝子の欠損及びノックダウンGS細胞を作製し、平成23年度に変異GS細胞の表現型を解析してmGS細胞誘導法を検討する計画で行った。 平成22年度には低分子RNA経路に重要なDicer遺伝子のコンディショナル欠損マウスよりGS細胞を樹立した。このGS細胞にCreリコンビネースを発現するアデノウイルスベクターを感染させてDicer遺伝子欠損GS細胞の作出に成功した。Dicer遺伝子欠損GS細胞はGS細胞の性質を保ったまま維持培養する事ができ、mGS細胞への変化は見られなかった。また低分子RNA経路で重要なDrosna,Dgcr8,Argonauteなどの遺伝子に対するshRNA安定発現GS細胞を作製できた。またmGS細胞を効率良く検出するために、mGS細胞の指標となるNanog遺伝子のプロモータ下流でGFPを発現するトランスジェニックマウスよりGS細胞を樹立した。 平成23年度はmGS細胞の誘導方法を検討するため、平成22年度に作製した変異GS細胞の表現型解析を行った。現在までに精子幹細胞から効率良く多能性幹細胞を得られるような条件は得られていないが、本研究で作製した変異GS細胞は精子幹細胞や精子形成における低分子RNA経路の役割を調べる際に有用な実験材料となり得る。
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