Budget Amount *help |
¥2,782,000 (Direct Cost: ¥2,140,000、Indirect Cost: ¥642,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,482,000 (Direct Cost: ¥1,140,000、Indirect Cost: ¥342,000)
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Research Abstract |
平成22年度は、胸部大動脈瘤手術患者の全人的な視点から回復を評価する尺度の構成概念を検討するため、先行研究の分析と文献検討を中心に課題に取り組んだ。先の胸部大動脈瘤手術患者の退院後の生活・療養に関する研究(三浦ら,2008)と、胸部大動脈瘤手術患者の退院後の回復過程に関する研究(三浦,2010)の面接調査および診療録調査で得たデータから回復と生活・療養に影響を与える状況を分析した。その結果、術後に生じた様々な身体症状が回復と退院後の生活に多大な影響を与えており、その身体症状に対する納得や、身体症状の経過と回復の見込みへの認識を考慮することが回復評価に重要であると考えられた。上行大動脈置換術などによる正中切開と下行大動脈置換術などによる後側方切開では術後痛をはじめとする身体症状、生じる合併症にも違いがあり、この切開法の違いなど回復に影響する医学的事項を回復評価にどの程度盛り込むかについては検討を続けていく必要がある。さらに、国内外の大動脈瘤疾患に関する看護研究は少ないため、関連疾患である冠動脈バイパス手術を中心とした心臓手術後の回復に関する文献検討を行い、回復評価の視点や項目、用いられている尺度とその内容を参考にし、先行研究の分析結果と合わせて本研究での構成概念や質問項目の検討を行った。先行研究では患者の病気認知(急性・慢性等)の違いが療養、回復感に影響を与えることを加味し、1llness Perception Questionnaire(IPQ)を用いたものも多く、胸部大動脈瘤手術患者の回復を捉えていく際も、病気認知の評価を行う必要性を確認した。今後は全人的な視点から回復を評価するため、病気認知や療養と生活の視点を取り入れた概念の体系化を図り、胸部大動脈瘤手術患者の回復実態を捉える調査を実施し、質問項目の精選を行うことが課題である。
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