Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究は、地域包括支援センター職員を対象とした特定高齢者施策の推進に関する研究である。前年度に行ったインタビュー調査をもとに、本年度は一つの地域包括支援センター(民間委託)において実際に特定高齢者施策の推進するための取り組みを行った。具体的には、地域包括センター職員および業務委託元の行政保健師、そして研究者が参加し、特定高齢者および特定高齢者候補への取り組み、日常の地域包括支援センターの業務について全員で振り返りを行った。振り返りは、上記の内容について「できていること」、「できていないこと」、「取り組みたいこと」、「その他」に分類し、更に取り組みやすさごとに分類した。その結果、基本チェックリスト実施後の特定高齢者候補への対応が十分でないことが挙げられた。一方で、高齢者の実態把握が進まないという課題が挙げられた。その理由として介護保険を利用する高齢者以外への家庭訪問の機会が少ないことが挙げられた。話し合いをすすめる上で、特定高齢者候補者宅への訪問を行うことにより、地域に住む高齢者の実態把握が展開できることが推測できた。地域包括支援センターにおいて特定高齢者施策を推進するにあたっては、全体の業務との繋がりを大切にし、3職種が支援「手段」の一つとして施策を活用していくことが重要と考えられた。そのためには、3職種がお互いの職種の業務理解をし、専門性を持ちながらもゼネラリストとして活動することが求められていることが必要と思われる。