Research Abstract |
シンキング・ツールを国語の授業に取り入れ,「読む」ために,「書く」ために必要な「思考力」の向上を目的に研究を行った。読むにしろ書くにしろ,国語はたくさんの情報の中から必要なものだけを取り出し,それらを整理したり,まとめたり,という作業を頭の中で行わなければいけない。その過程でシンキング・ツールの活用は,とても有効である。研究を通して,文学的文章と説明的文章の学習において,「ベン図」「Xチャート図」「マインドマップ」「ボーン図」を活用した授業づくりに取り組んだ。 研究を進める中で,文学的文章の学習で,登場人物を比較する学習で「ベン図」を,冒頭の場面と終焉の場面を比較する学習で「Xチャート図」を,文章の内容をまとめる学習で「マインドマップ」を用いた。また,説明的文章の学習では,文章の内容を理解する学習で「ボーン図」を,二つの文章を比較する学習で「ベン図」を用いた。前者の授業は,本校で7月に行った研究発表大会で,後者の授業は校内研究会で公開授業を行った。 実践を通して,シンキング・ツールの使用について,「項目ごとにまとめられるので比較がしやすい」「文章の中から必要な情報だけを取り出してグループ分けをすることができるため,それぞれのつながりを見つけやすい」「整理することを通していろいろな角度から考えることができる」といったことが明らかになった。また,新学習指導要領で「言語活動」が叫ばれているが,互いに学び合う「交流」の場面で,シンキング・ツールを使用すると,より分かりやすく伝えられたり,仲間の意見を書き加えられたりすることができ,話し合いが活発化することも感じた。
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