中国の政治・経済体制と流通業の変遷に関する理論・実証研究
Project/Area Number |
22912003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
法学・政治学・経済学・経営学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 宏幸 京都大学, 経済研究所, 研修員
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2010: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | 中国 / 経済政策 / 流通システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国の流通業を取り上げ、その構造や流通政策の転換、行商人や華僑との関わり、外資導入、チャネルの短縮化・多様化、業態の変化、WTO加盟などの諸側面に着目し、建国から現在までの流通業の変遷と特質を理論的・実証的に解明することであった。それと同時に、各時代の政治・経済体制の動向も踏まえ、かつての中央集権的流通管理体制から義烏(浙江省)の安物雑貨供給システムを経て、中国の流通が今後どのような方向性に向かうのかを模索することも本研究の狙いの一つであった。 本研究を進めるにあたり、まず行ったのが国内外にある資料の収集と分析である。建国から「改革・開放」までの政治・経済体制、流通システムに関する文献、および「改革・開放」後から現在までの流通業に関する文献については、日本国内のみならず中国の図書館や書店にも赴き主要なものを入手することができた。しかし、行商人に関する資料や流通関連企業の企業史は刊行されたものが極めて少なくほとんど入手することができなかった。これら資料の収集および分析と並行して現地調査を実施した。具体的には流通関連企業や行商人に対するヒアリング、小売店訪問、卸売市場の見学などである。 本研究の成果として、中国の流通システムは経済政策から大きな影響を受けていること、外資導入によってチェーン店形式のスーパーマーケットやコンビニエンスストアをはじめとする近代的な小売業態が1990年代後半以降急速な勢いで中国の各都市にもたらされたことが明らかになった。さらに、卸売業は地元資本が中心であるが小売業では欧米、日本、華人、華僑資本が激しい市場競争を展開していること、チェーン小売業が市場を拡大する中で値引きや高額なリベート要求など不透明な商慣行が依然として横行していること、大中規模の小売店が掴みきれないニーズを家族経営の雑貨店や行商人などが満たしている実態が明らかになった。
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Report
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Research Products
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