Project/Area Number |
22915016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | 兵庫県警科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
橋本 敬 兵庫県警科学捜査研究所, 刑事部科学捜査研究所, 警察研究職員
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2010: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | プラスチックバッグ / 画像解析 / 顕微ラマン分光 |
Research Abstract |
【研究目的】 ポリエチレンフィルムは日常生活においてありふれた包装材料であり、透明度が高く安価なことから、食品、薬品の透明包装等の他、法科学的な資料として乱用薬物、凶器など証拠物件の包装材料として多用されている。製袋用ポリエチレンには固着して開かなくなるのを防ぐために、ブロック防止剤(以下、AB剤)が含まれている。AB剤の種類はシリカ、ケイ酸塩、カオリン等の多くの特徴ある酸化物系無機材料が用いられ、異同識別の重要な要素と考えられるのでその同定方法について検討を行った。 【実験方法】 ブロック防止剤の入ったLDPE、LLDPEの透明なフィルムを試料とし、光学顕微鏡を用いて透明フィルム内部のAB剤の粒径、分布状態を観察した。観察した画像データを解析ソフトに取り込み粒子径などの情報について解析した。AB剤粒子の形態観察と元素成分分析を低真空モードのSEM-EDAXにより行った。顕微ラマンスペクトルを用いてAB剤の分子振動スペクトルを測定した。 【結果と考察】 光学顕微鏡を用いた観察ではデジタルマイクロスコープによる膜厚方向の合成画像で厚みのあるフィルム中に分散したAB剤粒子の形状とその分布状態が観察可能であった。得られた画像情報を解析し得られた平均粒径などの数値を用いることで統計的形態比較を行った。統計検定を行うことで同種のAB剤を含むフィルム間の異同識別を行うことができた。 SEMによる微細な粒子の形状の観察ができることから、ケイソウ土などの特徴的な構造を持つ天然シリカ粒子については成分の特定も可能であった。またSEM-EDXによる元素成分分析では、異なるAB剤を含むフィルム間での異同識別が十分に可能であり、顕微ラマンスペクトルによりAB剤成分を特定できることからより詳細な異同識別が可能となった。
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