Research Abstract |
有害鳥類防除に関する学内連携プロジェクト及び「産学連携ものづくりフロー実践に基づく設計教育プログラムの開発」の授業(「機械創造実験設計」科目)の一環として防除システムのメカ設計を進めている.本研究は,授業の範囲がメカ設計のみであることから学生や教員が従事しにくいハードとソフトの実装作業分野をターゲットとした技術開発を目的とした。具体的には,有害鳥類であるカラスを対象として,カラス位置の検出部及び防除刺激のための制御部についてグラフィカル開発言語LabVIEWを用いて統合開発した. 1.画像処理アルゴリズムのLabVIEWへの移植(平成22年7月末完了) 画像処理の方法については,本学電機系の岩橋准教授が開発した機能的階層符号化等のアルゴリズムが応用可能である.このアルゴリズムをLabVIEWに移植し,現場の電線に留っているカラスの動画を用いてテストした.その結果,現場の状況により変動するものの,70~80%程度の認識率が得られた. 2.メカ・システムとの統合及び実験(平成22年9月末完了) 本研究に用いるメカ設計は,カメラの撮影方向を制御するステージ部とカラスに対する暫定的刺激であるレーザ光の照射方向を制御するレーザ駆動部である.なお今回用いたレーザ光(Class2)は,カラスを防除する暫定的刺激であるとともに,検出した画像座標が実空間座標に反映しているかの確認を兼ねている.室内実験ではカラスを含む実際の画像を印刷して実空間の代わりとして動作実験を行い,紙面上のカラス全てにレーザが照射できることを確認した. 3.フィールド実験(平成22年10月末完了) 本研究で作成した装置を実際の現場に持ち込んでカラスの認識実験を行ったところ,上記1の動画を用いた実験と同様の結果を得た.しかし現場におけるカラス防除実験については,安全確保や構造物の距離情報の不足といった事由から本格実施には至っていない.現在,さらに課題解決に向けた装置仕様を検討中である.
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