Project/Area Number |
22929012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深津 祥央 京都大学, 医学部附属病院・薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2010: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 電子カルテ / 腎機能低下患者 / 薬剤使用評価 |
Research Abstract |
【研究目的】腎機能低下患者における薬剤使用については多くの場合、情報が断片的であるため、臨床現場における症例情報の集積が求められている。本研究では、薬物消失過程において腎機能の影響を受ける薬剤について、電子カルテ情報の2次利用システムを用いて腎機能低下患者への薬剤使用情報を網羅的に集積し、薬剤使用評価を行う。これにより、腎機能低下患者における薬物治療の個別化、副作用の危険回避に貢献することを目的とする。 【研究方法】2010年10月から2011年3月にテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合カプセル(TS-1)を開始した患者情報を、電子カルテのデータベースから抽出した。得られた情報からCockcroft-Gault式で算出した推定クレアチニンクリアランス値(Ccr)を基準として、腎機能低下患者のデータを選択し、投与方法、安全性に関わる臨床検査値を解析・評価した。副作用のグレード分類にはNational Cancer Institute-Common Toxicity Criteria、Version 4.0を用いた。 【研究成果】調査期間中にTS-1を開始した患者は139例で、このうち開始時の推定Ccr(mL/min)値が30≦Ccr<50の患者は20例、Ccr<30の患者は1例(Ccr=28.2)、透析患者は0例であった。30≦Ccr<50の患者は通常投与量が7例、1段階減量が9例、2段階減量が3例、3段階減量が1例であった。Grade3以上の副作用は、通常投与量群で好中球減少が1例にみられ、減量群では血小板減少、貧血、食欲不振がそれぞれ1例ずつみられた。Ccr<30の1例は1段階減量して開始されたがGrade3の貧血を認めた。Grade3以上の副作用を認めた5例中4例は注射抗がん剤との併用療法であった。今後、統計解析や副作用発現の要因解析を行う予定である。
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