Project/Area Number |
22H00005
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
阿部 泰郎 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60193009)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郭 佳寧 名古屋大学, 人文学研究科, 特任准教授 (00848731)
三谷 真澄 龍谷大学, 文学部, 教授 (20411275)
石川 知彦 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20596613)
大東 敬明 國學院大學, 研究開発推進機構, 教授 (20616916)
大河内 智之 奈良大学, 文学部, 准教授 (20847818)
渡辺 麻里子 大正大学, 文学部, 教授 (30431430)
高橋 悠介 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (40551502)
齋藤 真麻理 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (50280532)
瀬谷 貴之 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 主任学芸員 (50443411)
佐藤 愛弓 大谷大学, 文学部, 教授 (50460655)
横内 裕人 京都府立大学, 文学部, 教授 (50706520)
小池 淳一 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60241452)
上島 享 京都大学, 文学研究科, 教授 (60285244)
道元 徹心 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (60368024)
楠 淳證 龍谷大学, 文学部, 教授 (70214955)
野呂 靖 龍谷大学, 心理学部, 准教授 (70619220)
菊地 大樹 東京大学, 史料編纂所, 教授 (80272508)
高岸 輝 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80416263)
近本 謙介 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (90278870)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥41,990,000 (Direct Cost: ¥32,300,000、Indirect Cost: ¥9,690,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,350,000 (Direct Cost: ¥9,500,000、Indirect Cost: ¥2,850,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
|
Keywords | 宗教テクスト文化遺産 / デジタル人文学 / アーカイヴス研究基盤 / 間宗教テクスト / 相互理解知 / デジタルアーカイブ / 文化的記憶 |
Outline of Research at the Start |
日本の希有な多様性を示す宗教文化の諸位相を、宗教テクストという概念のもとに、世界普遍の課題としての遺産理念と、人文学の再生・探求とを重ねて問い直す。その実践の拠点として、多数の宗教テクストを蔵す龍谷大学に「宗教テクスト文化遺産アーカイヴス研究基盤」を創設し、さらに寺社や各地域に伝存する各種宗教テクストの探査救出ー記録保存ー解読再現ー社会共有のサイクルによるアーカイヴス化を行い、遺産として創成する。従来の研究蓄積と最新の知見を踏まえ、先端デジタル人文学を活用して高度な多元学術データを構築し、そこに析出される〈間宗教テクスト〉の解明を通じ、「相互理解知」の発見と共有の実現を志向する研究である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の初年度にあたり、龍谷大学の世界仏教文化研究センターを、本研究において、宗教文化遺産のアーカイブ化の拠点として構築する。その実践を通じて、多角的な国際連携による研究と、各機関とその研究者との連携/成果共有が継続的に可能となる研究基盤(プラットフォーム)を作り出すことが目指された。そのために、2023年4月に龍谷ミュージアムで開催する特別展「真宗と聖徳太子」企画に全面的に参画し、本研究の目的かつ対象である聖徳太子の宗教文化遺産、特に太子伝と太子絵伝の重要なテクスト・作品をアーカイブ化して遺産とすることにより、この研究基盤を実践しつつ立ち上げることが、学内における最優先の研究事業となった。そのワークショップを、大宮図書館とミュージアムで開催し、学外では、安城歴史博物館にて本證寺絵伝のデジタル・スキャニングを行い画像データを取得した。東京大学史料編纂所と共同し、青蓮院吉水蔵聖教のデジタル・アーカイブ化を開始してこれまでに十箱分のデータを作成した。同時に、これまでの調査の成果を資料集として編纂し、論文に概要を公刊した。国立歴史民俗博物館と国文学研究資料館と共同し、奥会津真言寺院の宗教テクスト文化遺産調査の成果を統合し、資料集として編集するとともに、地元に報告した。名古屋大学の人類文化遺産テクスト学研究センターと、真福寺大須文庫の宗教テクスト文化遺産アーカイブ化を推進し、ハーバード大学とのハーバード美術館蔵南無仏太子像の共同研究成果を刊行した。「受法用心集」研究会では、基盤的なテクストデータを作成して提供し、国内諸学会において招聘報告及び講演を行い、海外では米国と仏国で共同研究のための研究会や学会の招聘講演を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
この初年度に、本来は最終的な課題として設定していた、龍谷ミュージアムにおける聖徳太子の宗教文化遺産についての展覧会を開催することとなり、学術展示として特別展規模の展示を、本研究の目的の重要な対象である聖徳太子絵伝や太子伝についてのアーカイブ化による研究成果によって構成した。そのため、中世太子絵伝の最高傑作である本證寺聖徳太子絵伝、善光寺絵伝全14幅(重要文化財)のデジタル・スキャニングを企て、関係各位の協力でその画像データを取得でき、その様々な活用が、展覧会展示を通じてはかられている。これからの修復保存や文化的利用の可能性は計り知れない。これに加えて、国際共同研究の成果である、ハーバード美術館南無仏太子像の研究成果を、この展覧会に紹介するために、公開データを活用したレプリカ作成などにより、立体的な展示を実現した。史料編纂所と共同して開始した青蓮院吉水蔵聖教(重要文化財)のデジタル化は、天台密教の最高のアーカイブとして貴重な文化遺産を新たな学術資源として世界的に貢献するものであり、将来的にこれも計り知れない意義を持つ事業となろう。また、中央の大寺院と対照的に、地方の山間地域である奥会津の真言寺院調査の成果として、広域に伝存する膨大な宗教テクスト文化遺産の全貌が総合的に明らかになったことは、これも画期的な発見であり、今後の全国的な宗教テクスト文化遺産の調査研究において座標となる成果である。なお、国際共同研究の成果として、「ハーバード美術館南無仏太子像の研究』が公刊され、また、青蓮院吉水蔵の調査成果は、慈円の新発見著作の総合的な報告資料集が、コレージュ・ド・フランスとの国際共同研究の成果として、「慈円著作聖教類纂』が編まれ、提供、公開された。以上のように、予想を超えた大きな進捗を示している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の初めに開催される、龍谷ミュージアムの「真宗と聖徳太子」展覧会に臨み、それに出陳される貴重な宗教テクスト文化遺産をアーカイブ化して研究資源とするとともに、所蔵者をはじめとした地域や社会との成果を共有する為の学術諸活動を、公開フォーラム、シンポジウム、講演などを催し、また、デジタル技術の発展に対応した知的資源の開発にも取り組む。 青蓮院吉水蔵のデジタル化と総合的な調査研究のさらなる推進の為に、龍谷大学の世界仏教文化研究センターがより主体的に関与することを提案し、その為の方法と連携を青蓮院門跡及び史料編纂所と協議する。歴博及び国文学研究資料館との連携による奥会津地域宗教テクスト文化遺産の本格的なデジタルアーカイブ化の実現に向けて、地域自治体、研究者との協同を推進する。また、この地域にも共通する木地師の文化遺産についての、滋賀県東近江市との連携による新たな文化遺産アーカイブ事業を開始する。 これらの宗教テクスト文化遺産アーカイブ化の取り組みを通じて解明を進める、間宗教テクストとしての諸位相の文化遺産を巡って、その研究成果を、国内学会はもとより、海外の諸研究機関及び学会に進んで参加、もしくは招聘に応じて発信し、また新たな共同研究を提案していく。目下、ゲント大学(EAJS)、CAサンタバーバラ、ロンドン大学SOASが予定されている。
|