Project/Area Number |
22H00006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Kyoto National Museum |
Principal Investigator |
永島 明子 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部列品管理室, 室長 (90321554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 拓世 成城大学, 文芸学部, 准教授 (10753642)
福士 雄也 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部保存修理指導室, 主任研究員 (50747334)
呉 孟晋 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (50567922)
尾野 善裕 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 部長 (40280531)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥33,150,000 (Direct Cost: ¥25,500,000、Indirect Cost: ¥7,650,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥12,480,000 (Direct Cost: ¥9,600,000、Indirect Cost: ¥2,880,000)
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Keywords | 文化財 / 美術 / 工芸 / 商家 / 岡山 / 旧家 / 土蔵 / コレクション |
Outline of Research at the Start |
岡山県倉敷市児島にある野﨑家旧宅の土蔵群が伝えた大量の文化財を調査し、その全貌を捉えるべく、近世絵画、中国・朝鮮書画、陶磁器、漆芸品などを専門とする各地の研究者が現地へ趣き、野崎家塩業歴史館の学芸員や、美術専門運搬業者、学生アルバイトらとともに、ひとつひとつの作品の清掃から熟覧、採寸、撮影、記録に取り組み、調書を作成する。この情報を将来にわたって共有可能なデータベースで管理運用するために、新たなシステムを構築し、調書のデータを登録する。このデータベースによってコレクションの全貌を捉えるとともに、幕末から戦前期にかけて瀬戸内の豪商が美術界に果たした役割など、その文化活動を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度同様、野﨑家の土蔵に保存された文化財の全貌を解明するべく、粛々と調査を進めた。文化財修復の専門作業員や、2022年度はコロナ禍の反動で業務が集中していたためになかなか手配できなかった美術運送会社を積極的に手配し、調査対象の清掃をはじめとする整備を大規模に行った後、各分野の担当研究者が中心となって調査、採寸、撮影を進めた。書画では、213件の作品を調査し、12,259カットの画像を蓄積した。漆工芸では、膳椀を中心に1件で270点越えの弁当箱なども含め、205件の作品を調査し、2,158カットの画像を蓄積した。2023年度は陶磁器やガラス工芸の作品も100件ほど調査し、約500カットの画像を蓄積した。調査を進めるなかで保存箱の破損部を直し、まくり状態の書画を安全に収納するためのアーカーイバル容器の整備もした。また、データベースの整備に向けて漆工芸の調書データの入力を進めた。2022年度に始動したクラウド上のデータべースについては、すでに入力済みの陶磁器のデータをもとに、データベースの構造の改善について意見交換を行った。未だコレクションの全貌は見えないが、漆器については、輪島の行商に対して繰り返し似た品を発注したり、京都の漆器商を通じて京都の陶磁器や絵画を発注したりしていた実態を窺い知ることができた。また、2023年度の終わりには、新蔵と呼ばれる土蔵の調査を終え、たい[台にしんにょう]暇堂と呼ばれる100畳敷きの饗応施設に付随する土蔵の調査にとりかかることができ、尋常でない数の食器の揃いがいくつも存在することを確認し、野﨑家で繰り広げられた社会生活の一端を垣間見ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全貌が見えないため、全体に対してどこまで調査ができているのかを測りかねるが、およその実感として、特に書画の調査は本研究の5年間には収まらないのではないか、という手応えを感じ始めているため。漆工、書画ともに着々と調査の作業は進んでおり、調書のデータをデジタル入力する作業も進めているものの、データベースによる成果の共有については、まだ陶磁器分しか実現できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
5年計画の3年目にあたる2024年度は、研究分担者や協力者の異動があるため、研究協力者を分担者に変更するなど体制を調整し、少しでも多く調査にでかけられるよう段取りしたい。2023年度に引き続き、地道に調査を重ね、調書データのデジタル入力を進める予定である。
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