Project/Area Number |
22H00016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 聡 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (20302656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 重雄 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40313192)
岡本 真 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (50634036)
山田 太造 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70413937)
菊地 大樹 東京大学, 史料編纂所, 教授 (80272508)
中村 覚 東京大学, 史料編纂所, 助教 (80802743)
守田 逸人 香川大学, 教育学部, 教授 (10434250)
渡辺 晃宏 奈良大学, 文学部, 教授 (30212319)
榎原 雅治 公益財団法人地震予知総合研究振興会, 地震防災調査研究部, 副首席主任研究員 (40160379)
高田 祐一 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 主任研究員 (50708576)
関野 樹 国際日本文化研究センター, 総合情報発信室, 教授 (70353448)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥39,910,000 (Direct Cost: ¥30,700,000、Indirect Cost: ¥9,210,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,440,000 (Direct Cost: ¥8,800,000、Indirect Cost: ¥2,640,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
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Keywords | 荘園絵図 / 空間認識 / GIS / オープンデータ / 史料構造化 / オープンデータ 史料構造化 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、東京大学史料編纂所が『日本荘園絵図聚影』編纂事業のなかで蓄積した古代・中世絵図情報をもとに、絵図史料群の総体が、いかなる歴史的展開を遂げたのかを明確にすること、および総体としてどのような空間認識に規定されていたのかを究明することを目的としている。また近年関心の高まる環境史・災害史等からのアプローチも踏まえて、新たな調査・分析方法の創出・提示を行うこと、あわせてこれまでに収集した膨大な絵図関連情報を、ネットワーク環境のもとで学界共有の研究基盤とすることも目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度研究実施計画にもとづき、以下の3課題の研究を推進した。 ① 荘園絵図調査・分析に関する新手法の提案と絵図群総体の展開過程に関する研究:前年度に引き続いて既存の絵図調査データの分析・提示方法の深化を図り、その成果を研究代表者ほか研究分担者も参画する東京大学史料編纂所編『日本荘園絵図聚影 釈文編』(東京大学出版会刊行)の編纂事業に反映させた。かつまた「讃岐国善通寺伽藍絵図並寺領絵図」・「豊前国野仲郷絵図」などの現地調査を重ねて実践し、前近代の空間認識を規定した規範性の検証を行った。さらに「筑前国志賀海神社縁起」の原本調査を実施して、絵図の周囲にある絵画史料群の分析を通じて、空間描写の在り方について研究を進めた。 ②蓄積された調査情報の保全・秩序化とSHIPS内DBを活用した発信・共有研究:前年度の取り組みを踏まえて、史料編纂所歴史情報処理システム(略称SHIPS)内の「地理情報システム」のシステム再構築と機能強化を実践した。併せてSHIPS内で連動して機能する「金石文拓本データベース」「史料編纂所所蔵荘園絵図模本データベース」の再構築及び参照機能の強化を進めている。 ③オープンデータ環境における絵図情報の発展的活用と新たな研究資源の創出研究:「地理情報システム」の機能刷新を踏まえつつ、収載する地理データの構造を踏まえて、奈良文化財研究所ほかと汎用的な活用方法について協議と実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に示した3つの研究課題のいずれについても、おおむね目標を達成することができた。絵図調査手法の高度化や蓄積データの評価・活用方法論については、東京大学史料編纂所が30年以上にわたって刊行を続けてきた『日本荘園絵図聚影』に、その成果を反映させ、無事シリーズの刊行に結実させることができた。並行して絵図原本の調査や、現地空間の踏査も実践を重ねて、今後の課題や方向性を改めて確認することができた。歴史地理情報の汎用化にあっては、既存システムの刷新を進めるとともに、機関を越えた連携について具体的な工程が明確になってきた次第である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き3つの観点から研究を推進してゆく。 ①荘園絵図調査・分析に関する新手法の提案と絵図群総体の展開過程に関する研究:継続して原本研究と現地調査を重ね、調査手法の更新と研究の精緻化を進め、中世人の空間認識の在り方について一層認識を深めることを目指してゆく。 ②蓄積された調査情報の保全・秩序化とSHIPS内DBを活用した発信・共有研究:「地理情報システム」の高度化と並行して「金石文拓本データベース」「史料編纂所所蔵荘園絵図模本DB」の刷新・連携強化を図り、SHIPS内の地理情報の共有化環境を整備してゆく。 ③オープンデータ環境における絵図情報の発展的活用と新たな研究資源の創出研究:「地理情報システム」の汎用化をより強化し、SHIPSの歴史地理情報を他機関と連接する試みを一層推進する。とくに奈良文化財研究所が公開する「文化財総覧WebGIS」との接続に重点をおいて具体化を図ってゆく。
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