Project/Area Number |
22H00031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 4:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
山川 充夫 福島大学, 地域未来デザインセンター, 客員教授 (00094285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 彰彦 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (00634974)
初澤 敏生 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (10211476)
瀬戸 真之 福島大学, 地域未来デザインセンター, 客員准教授 (10386518)
三村 悟 福島大学, 地域未来デザインセンター, 客員教授 (10648926)
大平 佳男 帝京大学, 経済学部, 准教授 (10649651)
高木 亨 淑徳大学, 地域創生学部, 教授 (20329014)
尾松 亮 東洋大学, 国際共生社会研究センター, 客員研究員 (30787619)
吉田 樹 福島大学, 経済経営学類, 教授 (60457819)
柳沼 賢治 福島大学, 地域未来デザインセンター, 客員教授 (60783074)
深谷 直弘 長崎県立大学, 地域創造学部, 准教授 (60817667)
中村 洋介 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80386515)
天野 和彦 福島大学, 人間発達文化学類, 特任教授 (80649533)
益邑 明伸 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (80882810)
藤本 典嗣 大阪経済大学, 国際共創学部, 教授 (90455907)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,250,000 (Direct Cost: ¥32,500,000、Indirect Cost: ¥9,750,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2023: ¥15,080,000 (Direct Cost: ¥11,600,000、Indirect Cost: ¥3,480,000)
Fiscal Year 2022: ¥13,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000、Indirect Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 東日本大震災 / 原子力災害 / 忘却と無関心に抗う / 災害復興 / ふるさと喪失・変容 / 忘却 / 無関心 / 福島イノベーションコースト構想 / 避難指示区域 / 帰還・避難・再建 / おだかのあかり / APMCDRR / 復興政策 / 福島復興 / 災害伝承館 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、東日本大震災・原子力災害など大規模な自然・人為災害を対象とし、被災者・被災地の目線からで復興を検証すること、及び時間の経過が災害の「忘却」や「無関心」をもたらす要因を分析し、その克服に向けた制度設計を進める。具体的には、 ①地震津波災害のハイチ・バンダアチェ、原爆被災地の広島・長崎、原子力災害のチョルノービリ、水爆実験移住のマーシャルの現地調査。 ②原発被災地の「復興」と「忘却」「無関心」に係るアンケート調査。 ③避難・帰還者の生業再生と福島イノベーションコースト構想の研究のため、南相馬市内事業所アンケート調査。 ④国内外の災害伝承館が「忘却」「無関心」に対抗する社会的役割に関する現地調査。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は文献調査・資料収集・予備調査を実施しつつ、以下のような主たる研究成果を得た。 (1)原爆投下被害・原発事故災害・自然災害等に関する国際比較の研究については、尾松が『廃炉と何か─もう一つの核廃絶に向けて─』(岩波書店)を刊行し、また三村が国際会議であるAsia-Pacific Ministerial Meeting on Disaster Risk Reduction(2022、ブリスベン)で「Pacific Island Countries Regional Disaster Waste Management Guideline」を報告した。 (2)震災・原発事故被災地の「復興/忘却/無関心」に関する研究については、雑誌『地理』(古今書院刊)が「原子力災害 地理学から考える」を特集し、これに天野・瀬戸・高木・初澤・深谷・山川の6名が論文を寄稿した。また原子力災害避難指示区域であった南相馬市小高区における避難・帰還・再建に至る生活プロセスについて、益邑・山川が住民インタビュー調査を行い、スタジオ・サードアイ編集による記録誌『「おだかのあかり」アーカイブ・プロジェクト2022年度報告書』(福島大学地域未来デザインセンター福島復興学研究会刊)を出した。 (3)避難・帰還者の生業再生と福島イノベーションコースト構想に関する研究については、山川が総括的な『イノベーションコースト構想と復興政策』(福島自治体研究社刊)を公表するとともに、廃炉産業(山川)、宿泊業・商工業(初澤)、再エネ・水素利用(大平)、モビリティ(吉田)、金融(藤本)などに係る論文公表や研究報告を行った。 (4)国内外の災害伝承館が「忘却」「無関心」に対抗する社会的役割に関する研究については、瀬戸が原子力災害の伝承・アーカイブに係る論文を公表し、また深谷が原爆体験の伝承に係る学会報告をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「おおむね順調に進展している」を選択した理由は以下の通りである。 第1の理由は、学会等研究報告24本、雑誌論文28本、図書等6本を公表し、代表・分担研究者1人当り平均3.9本の研究成果を実現したことにある。 第2の理由は研究成果の内容水準の高さであり、調査研究をもとにした研究報告を各研究分担者が関係する学会のみならず、国際会議APMCDRR(Asia-Pacific Ministerial Conference on Disaster Risk Reduction)や日本学術会議公開シンポジウムにおいても発表したことにある。 第3の理由は本研究テーマである「災害多発環境下の日本に住み続ける意味を問う─忘却・無関心に抗う─」に直結するインタビュー調査を、地震・津波・原発の複合災害の被災地である南相馬市小高区に帰還して生活再建を進めている住民を対象として行い、その成果の第1報を『2022年度報告書』として公表したことである。 ただし自己評価として「当初の計画以上に進展している」ではなく「おおむね順調に進展している」を選択したのは、当初の計画にあったチョリノービル原発とその周辺を対象とした現地調査がロシアのウクライナ軍事侵攻によって不可能となったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)大規模自然災害や原発事故等の人為的過酷災害からの避難・移転・復旧・復興・アーカイブ・伝承・防災に係る比較調査(地震・津波・原子力災害)を行う。具体的には日本における東日本大震災、能登半島震災、パラオ・マーシャル諸島・仏領ポリネシアを対象とし、文献調査や現地調査を行う(尾松・中村・三村・山川他)。また大規模自然災害(地震・津波・洪水)において、災害における地形的な共通性と被災した集落の立地特性を現地調査や文献調査(瀬戸・中村)で明らかにするとともに、災害リスクの高い場所に位置する公共交通事業者の「備え」についてヒアリング調査を実施する(吉田他)。 (2)東日本大震災・福島原発災害の伝承施設に係る伝承の公開内容・公開方法・利活用方法・伝承活動等及びについて、文献調査・現地調査・ヒアリング調査などを実施しその教訓・課題を取り纏める(天野・瀬戸・高木・深谷・柳沼・山川・深谷他)とともに、さらに社会教育における防災教育の実態を把握する(天野・初澤他)。 (3)東日本大震災・福島原発災害で避難し帰還している住民に対してインタビュー調査を継続し、それをアーカイブ化するとともに、経験と教訓を抽出して彼らが帰還した理由を解明し、「ふるさと」再生や地域活性化にどのように関わっているかを参与観察する(佐藤・益邑・山川他)。また東日本大震災福島原発被災地においては福島イノベーションコースト構想の事業化や生業の再建が進んでいるが、これが被災地の地域社会の回復にどのような経済社会的影響があるのか文献調査・現地調査を行う(大平・初澤・山川他)。 以上の調査研究結果をもとにし、本研究テーマである「災害多発環境下の日本に住み続けることの意味」についての中間的な取りまとめを行い、その結果については学会報告(全員)を行うとともに、研究調査協力を得た福島県相双地域の住民等に報告する(山川他)。
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