Project/Area Number |
22H00040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 4:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
野林 厚志 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (10290925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 賢二 徳島県立博物館, その他部局等, 上席学芸員 (00372227)
田本 はる菜 成城大学, 文芸学部, 専任講師 (20823800)
清水 純 日本大学, 経済学部, 特任教授 (30192610)
角南 聡一郎 神奈川大学, 国際日本学部, 准教授 (50321948)
宮岡 真央子 福岡大学, 人文学部, 教授 (70435113)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥40,430,000 (Direct Cost: ¥31,100,000、Indirect Cost: ¥9,330,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
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Keywords | 先住民族 / アーカイブ / 鳥居龍蔵 / エスニシティ / 集合的記憶 / アーカイブス |
Outline of Research at the Start |
本研究は台湾の日本統治時代全期間にわたり先住民族政策に強い影響を及ぼした統治初期(19世紀末から20世紀初)の学術研究及び官製研究の内容を再検証し、当時の先住民族の生活の実像と調査の文脈を解明することを目的とする。具体的には、研究未着手の調査アーカイブズの精査、現地の景観と民族誌データとの照合をフィールド調査によってはかり、民族集団の実情、民族間関係を中心としたより精度の高い統治初期の社会状況の再構と文脈化を行う。その上で、推察された当時の社会像を現地も含めた国際協働のもとで検証し、先住民族を含めた民族集団の多様性を前提とする社会の実現を支える博物館資料活用の学術研究モデルを提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
当初計画にしたがい、1)調査アーカイブ、民族誌コレクション、考古学資料の分析・検証、2)現地フィールド調査と国際共同研究会の実施、を進めた。 1)領台初期の学術調査の資料について、分析未着手のフィールドノート(鳥居龍蔵記念博物館)、考古学資料(東京大学総合研究博物館蔵)の集中的な調査、分析を実施した。前者の分析からは当時の調査協力者像が具体化され、漢族が中心と思われていた通事(媒介者)に原住民族が関わっていた可能性を知見として得た。後者の調査は、協力機関である国立台湾史前文化博物館の研究者および国立台湾大学の考古学者を招へいした国際共同研究として進めた。考古学資料の注記の筆跡等から複数の収集者の存在を確認し、それらは前年度に議論した研究者間の交流と関連性があることが明らかとなった。研究者間の交流については、さらに天理図書館、八重山博物館等に収蔵されている資料を対象とした調査を展開した。 2)本年度は研究参画者が南部・中南部山岳地域を中心に実施した。前年度、当該年度のアーカイブ調査で得られた知見を活かし、当時の想定される景観の継承や変化の検証を台湾側の協力機関である国立台湾史前文化博物館南科考古館と合同で進めた。 前年度および当該年度の調査の成果は、研究分担者の所属機関である鳥居龍蔵記念博物館において、企画展「台湾世界を行く―鳥居龍蔵の見た海・山・ひと・ムラ―」(2024年1月27日~3月3日)として一般社会に広く公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画にしたがった1) 調査アーカイブ、民族誌コレクション、考古学資料の分析・検証、2)現地フィールド調査と国際共同研究会の実施、を進めており、研究計画はおおむね順調に進展していると判断している。 研究成果の公開についても単著論文、論考に加えて、展示会や公開セミナーによる一般社会への公開、普及を果たしていることから、研究計画は全体として順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールドノートや考古学資料の注記等から読み取れる情報が、これまで公刊されてきた論文等の行間を埋め、個別に発出されてきた調査情報をつなぐ機能をもつことが2年間の研究活動を通して確認されており、次年度以降も基本的には当初計画にしたがった研究を進めていけると判断している。
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