New frontiers in materials science based on comparisons and integrations between topological materials and metamaterials
Project/Area Number |
22H00108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 13:Condensed matter physics and related fields
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
村上 修一 東京工業大学, 理学院, 教授 (30282685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 陽介 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (50745205)
平山 元昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (70761005)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,730,000 (Direct Cost: ¥32,100,000、Indirect Cost: ¥9,630,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / トポロジカル半金属 / メタマテリアル |
Outline of Research at the Start |
本研究では電子系とメタマテリアルで別々に発展してきたトポロジカル相の学理の比較と統合を通じて新たなトポロジカル物質・メタ物質の理論展開と物質設計を行う。電子系の物理とメタマテリアルの物理を統一的な視点で見ることで、トポロジカル超物質科学という新分野を開拓することを目的とする。これにより、元来、物理的な機構が大きく異なる電子系、フォノン系、電磁波系、弾性波系を横断的に捉えたトポロジカル超物質科学の理論体系を作ることができ、それを通じ、例えばメタマテリアルに対して電子系の知見を応用した理解と設計指針構築や、またそうした系を利用した新奇現象の予言などを体系的に行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
トポロジカル相の物理について電子系での特異物性を探索しつつ、メタマテリアルにも普遍的に成立するトポロジカル相の基礎物性の研究を行った。トポロジカル表面状態が出現する結晶表面では表面エネルギーが増加するため、結晶の平衡形状ではその表面の面積は小さくなると予想され、実際モデル計算で実証した。またZ2トポロジカル不変量で特徴づけられるディラック半金属について、マルチヘリコイド表面状態という特異な表面状態との対応を解析的に示し、数値計算で実証した。さらに、2次元絶縁体において系の変化とともにギャップが一旦閉じてワイル半金属となり、直ちにまたギャップが開く場合を考えると、分極の値が不連続にジャンプすることを示し、さらにそのジャンプの量が、中間のワイル半金属でのワイル点同士の相対位置だけで書けるという普遍的な結果を導いた。さらに、PT対称なノーダルライン半金属において、ノーダルラインのトポロジーが変化する事象がモース理論により分類できることを示し、さまざまな点群のもとでそうした事象を分類できることを示した。またスピンレス系のトポロジカル絶縁相・半金属相について、現実物質の材料検討を行った。特にスピンレス系についてはスピン軌道相互作用の有無によるバンド反転・バンド交差の検証ができないことを考慮し、スピンレス半金属相について回転対称性やグライド対称性の観点で空間群を選定し、探索空間の大幅な削減を行った。 さらに、メタマテリアル系におけるトポロジカル現象に関しても分析を進めた。メタマテリアルは電磁波に対する人工結晶として振る舞うため、トポロジカル局在化現象が生じうる。一方で、通常の電子系とは異なり、メタマテリアル系は金属応答(ドルーデ応答)に代表される負の応答を有し、それ特有のトポロジカル現象の発現が期待される。このことに着目し、金属系ならではの局在状態形成メカニズムを理論的に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
結晶の平衡形状が、トポロジカル相か否かによって変化するという予想をたてて研究を行い、トポロジカル結晶絶縁体の例において確かにそうなるという研究結果を得た。こうした研究の方向性は世界で初めてで、この結果は様々なトポロジカル相へ広く展開が可能であり、今後そうした方向での研究は有望である。また2次元絶縁体において、パラメタ変化によりワイル半金属をはさんで系を変化させる場合の分極ジャンプについては、非常にシンプルで美しく、かつ普遍的な結果が得られた。この結果を踏まえて、様々な物理量がこうした系の変化でジャンプするかどうか検討するという方向性を考えるのも興味深い展開であり、今後検討に値する。 トポロジカル相の物質探索については、電子化物や共有結合性結晶を中心としたトポロジカル材料の選定の方針を見定めることができた。特に、従来バンド反転に不向きとされた軽元素系の化合物についても、空隙電子や結合性の電子を活用することで可能性を見出すことができたため、検討を進めている。またメタマテリアル系のトポロジカル現象に関しては、電磁気学と回路理論を駆使し、その本質解明に挑んだ。この結果、金属を利用したメタマテリアル系では、誘電体フォトニック結晶とは質的に異なるメカニズムでトポロジカルモードが生じうることを理論的に明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
結晶の平衡形状に対するトポロジカル相の影響については、さまざまなトポロジカル相へと研究対象を広げるとともに、実際の物質に即した計算を検討する。また2次元絶縁体において、パラメタ変化によりワイル半金属をはさんで系を変化させる場合に、様々な物理量がジャンプするかどうか、ジャンプする場合はどのようにそのジャンプの大きさが決まるかについて検討する。さらに今年度研究に着手した、絶縁体でのコーナー電荷の量子化について、今までの先行研究は2次元系にほぼ限られているところを、3次元系への展開を検討する。3次元系は結晶形状も多種多様でありどのような結晶形状を考えればよいかは、多面体に関する数学の知識が必要であり、必要に応じて専門家と議論しながら進める。さらに軽元素化合物におけるスピンレス系をはじめとしたトポロジカル相・トポロジカル物性の検討をする。とりわけ、通常のp軌道間のσ結合だけでなく、dp軌道間のσ結合や空隙電子を活用し、空間群の観点から理想的なギャップやフェルミ面を持つ絶縁相・半金属相を探索する。時間反転対称性を破る磁性元素置換の観点から、希土類元素の2+,3+のカチオンも積極的に利用したい。 また、メタマテリアルにおけるトポロジカル現象の理論的な分類を進めるとともにその成果を論文として報告する。さらに、構築した理論をもとにメタマテリアル系において新たなトポロジカル現象を予言し、マイクロ波領域においてその実験的検証を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Truly chiral phonons in α-HgS2023
Author(s)
K. Ishito, H. Mao, Y. Kousaka, Y. Togawa, S. Iwasaki, T. Zhang, S. Murakami, J. Kishine and T. Satoh
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Journal Title
Nature Physics
Volume: 19
Issue: 1
Pages: 35-39
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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