Project/Area Number |
22H00158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 16:Astronomy and related fields
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
山口 弘悦 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (00513467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 裕 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (10332165)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,990,000 (Direct Cost: ¥32,300,000、Indirect Cost: ¥9,690,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,440,000 (Direct Cost: ¥8,800,000、Indirect Cost: ¥2,640,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,830,000 (Direct Cost: ¥9,100,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
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Keywords | X線天文学 / 超新星 / 元素合成 / プラズマ物理学 / X線天文学 / 多価イオン / プラズマ |
Outline of Research at the Start |
白色矮星を親星とするIa型超新星は、宇宙の標準光源として利用されながらも、その観測的性質には顕著な多様性があることが知られる。本研究では、X線天文衛星XRISMを用いてIa型超新星残骸と銀河団を観測し、各天体の鉄族元素質量比を測定する。これによって、個々の白色矮星の爆発時の質量および中心密度とその平均値が明らかとなり、Ia型超新星に見られる多様性の正体が明らかになる。この研究を成功に導くには、XRISMが分離するL殻共鳴輝線の実験的な原子データが必要となる。そこで本研究では、プラズマ実験装置 「電子ビームイオントラップ」を利用して、鉄族元素L殻遷移の波長と遷移確率を高精度で測定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
白色矮星を親星とするIa型超新星は、宇宙の標準光源として利用されながらも、顕著な多様性があることが知られる。本研究では、X線天文衛星XRISMを用いてIa型超新星残骸と銀河団を観測し、各天体の鉄族元素質量比を測定する。これによって、個々の白色矮星の爆発時の質量および中心密度とその平均値が明らかとなり、Ia型超新星に見られる多様性の正体が明らかになる。この研究を成功に導くには、XRISMが分離するL殻共鳴輝線の実験的な原子データが必要となる。そこで本研究では、プラズマ実験装置 「電子ビームイオントラップ(EBIT)」を利用して、鉄族元素L殻遷移の波長と遷移確率を高精度で測定する。この測定は、EBITを大型放射光施設 SPring-8 のビームラインに設置して実施する必要がある。 2023年度は、繰越を行った2022年度分の計画と合わせて、ビームライン実験に備えたEBITのアップグレードを実施した。具体的には、電子ビームのエネルギーを周期的に変動させるためのファンクションジェネレータ等を実装し、ビーム実験時のバックグラウンドレベルの低減に努めた。 2023年9月にはXRISMが打ち上げに成功した。12月以降は様々な超新星残骸と銀河団の観測を実施し、鉄族元素を含む様々な重元素からの高分解能スペクトルを取得できた。関連する科学成果は間もなく論文として投稿できる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2024年度の前半に行うビームライン実験に向けて、EBITのアップグレードを順調に進めた。 XRISMが科学観測を開始し、超新星残骸や銀河団の高分解能スペクトルを取得した。科学成果に関する論文も間もなく発表できる見込みである。但し、マイクロカロリメータ検出器の部分的な不具合により、検出器の前面に取り付けられたゲートバルブが現時点では開放されていない。そのため、鉄族元素のL殻輝線を含むエネルギー帯域に感度を持たない状況となっている。今後は研究方法の変更を要する可能性が高い
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Strategy for Future Research Activity |
L殻共鳴輝線の原子データを得るためのEBIT-放射光実験を2024年度6月末に実施する。得られたデータを速やかに解析し、鉄などのL殻輝線の波長や遷移確率を決定する。 また、2024年度はXRISMの科学成果創出を推進する。先述の通り、マイクロカロリメータ検出器Resolveのゲートバルブが開放されていないため、XRISM単独では当初想定したL殻輝線による元素組成比測定を実施できない。一方、2 keV以上の高エネルギーX線に対しては当初要求以上の分光性能を達成しており、鉄族元素のK殻輝線を多数の超新星残骸・銀河団から取得できている。今後は、XRISMによるK殻輝線帯域のスペクトルと、XMM-Newton衛星搭載 回折分光器(RGS)によるL殻輝線帯域のスペクトルを組み合わせることで元素量の測定を行い、当初の科学目標を達成することを目指す。
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