最先端非線形光学を駆使したテラヘルツ波発生・検出の新技術開拓
Project/Area Number |
22H00212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 21:Electrical and electronic engineering and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川瀬 晃道 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00296013)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,470,000 (Direct Cost: ¥31,900,000、Indirect Cost: ¥9,570,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
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Keywords | テラヘルツ波 / 非線形光学 / パラメトリック / パラメトリック発振 / 分光 |
Outline of Research at the Start |
非線形光学効果を用いたTHz波技術は発展を続けており、さらなる進化をもたらすには革新的なレーザー技術が必須となるが、μ-chip Nd:YAGレーザーは次世代を切り開く新型励起光源であり、それを活用した非線形光学効果の開拓はTHz技術に新展開をもたらすものである。本研究では、μ-chip Nd:YAGレーザーを励起光として導入し最先端非線形光学を駆使したテラヘルツ波発生・検出の新技術を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
非線形光学効果を用いたTHz波発生は世界的に発展を続けているが、未だ遅れている実用化を実現するためには、発生・検出技術のさらなる進化が不可欠である。マイクロチップ(μ-chip)レーザーは小型高輝度かつis-TPGに最適なパルス幅を有する励起光であり、それを活かした非線形光学効果の開拓はTHz波技術に新展開をもたらすものである。本研究は、革新的新技術の提案により既存のTHz波発生/検出の限界を突破し、世界最高のダイナミックレンジを有する小型THz分光装置およびリアルタイム分光システムの実現を達成目標として研究を継続した。 究極的励起光により、安定した高次ストークス光が強力に発生できるため、2つのLiNbO3結晶を高出力μ-chipレーザーで強励起し、それぞれの結晶に対して注入光(例えば1068nmと1068.5nmの半導体レーザー光)を入射し、複数波長の高次ストークス光が強力かつ安定に発生できた。これらの光の組み合わせにより差周波光混合で発生できるTHz波はちょうど実用上重要な1-2 THzあたりをカバーした。半導体レーザーの2波長を変えることで、任意の多波長を差周波発生可能とした。PCCPM法(Prism Coupled Cherenkov Phase Matching)は、申請者らが発案した非線形光導波路とSiプリズムカプラーを用いたチェレンコフ型位相整合によるTHz波発生方式であり、非線形結晶中での位相整合や吸収を考慮せず、任意の励起光波長間の差周波光混合でTHz波を発生可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
究極的励起光により強力かつ安定に発生する高次ストークス光を非線形光導波路に入射し、多波長THz波の高効率な発光を実現した。MgO:LiNbO3導波路とノンドープLiNbO3基板を貼り合わせることで,MgO:LiNbO3導波路中を励起光を導波させた。バルクLiNbO3結晶と異なり、導波路結晶全体からTHz波発生することから、効果的な励起光とTHz波の相互作用が得られた。なお、SiプリズムカプラーとLiNbO3導波路との間に薄いPETフィルムを挟んでいるのは、励起光を導波路中に閉じ込めつつ、THz波のみをSiプリズムに結合するための我々の保有する特許である。非線形光導波路を用いることで、LiNbO3結晶中のTHz波の吸収ロスも無視できるため、吸収係数の大きい高周波側の発生も可能となった。あるいは、LiNbO3結晶よりも光損傷閾値の高いLiTaO3結晶を用いることも実験中である。他方、我々は独自の気相成長法で非線形光導波路の開発に成功しており、実用的な厚さ数μm、長さがmmオーダーのスラブ構造OH1結晶も実現した。OH1結晶はLiNbO3よりも非線形光学係数が数段大きく損傷しきい値も高いため適していると期待され、導入を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、PCCPM法を用い、究極的励起光により強力かつ安定に発生する高次ストークス光を非線形光導波路に入射し、多波長THz波の高効率な発光を実現する。MgO:LiNbO3導波路とノンドープLiNbO3基板を貼り合わせることで,MgO:LiNbO3導波路中を励起光が導波する。バルクLiNbO3結晶と異なり、導波路結晶全体からTHz波発生することから、効果的な励起光とTHz波の相互作用が得られることになる。非線形光導波路を用いることで、LiNbO3結晶中のTHz波の吸収ロスも無視できるため、吸収係数の大きい高周波側の発生も狙う。並行して、LiNbO3結晶よりも光損傷閾値の高いLiTaO3結晶を検討する。並行して、THzパラメトリック検出の高感度化により広いダイナミックレンジを有するTHz波測定システムの開発を進める。THzパラメトリック検出は、室温動作で高感度かつ広帯域なTHz波検出が可能であるが、広帯域に微弱に発生する広帯域光ノイズが妨げとなりこれまで検出感度が制限されていた。複数のLiNbO3結晶を用いてTHzパラメトリック検出を多段化し、一段目と二段目の間でアイリスを用いてbroadband noiseを空間的に除去することにより1 THz付近における最小検出感度は90フォトン以下に相当する130 zJとなった。さらに、この検出システムにより帯域0.6-2.0 THzで最大ダイナミックレンジ125 dBを有するTHz波測定システムを実現した。今年度は、このシステムに究極的励起光を導入し、さらに新たに発見した結晶のX面入射によるテラヘルツ波検出法を活かして、完全にノイズフリーな検出を目指し、フォトンカウンティングレベルに近づけたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)