持続可能社会実現に貢献する縮重合反応を基本とする新しいアルカリ活性材料の開発
Project/Area Number |
22H00230
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
|
Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
一宮 一夫 大分工業高等専門学校, 都市・環境工学科, 教授 (00176306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 康貴 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10325508)
山本 武志 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (30371545)
藤山 知加子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (60613495)
千々和 伸浩 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (80546242)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥43,420,000 (Direct Cost: ¥33,400,000、Indirect Cost: ¥10,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥24,700,000 (Direct Cost: ¥19,000,000、Indirect Cost: ¥5,700,000)
|
Keywords | 持続可能社会 / アルカリ活性材料 / 縮重合反応 / 凝灰岩 / 水ガラス / ジオポリマー / 木質バイオマス焼却灰 / 石炭ガス化発電スラグ / まさ土 / フライアッシュ / 高炉スラグ微粉末 / 非溶結凝灰岩 / 圧縮強度 |
Outline of Research at the Start |
石灰石を主原料とするセメントは,製造時のCO2の大量排出,天然資源の消費抑制の点で課題がある。一方,セメントと同等以上の性能を有し,国内外で研究開発が進行中のアルカリ活性材料(AAMs)は,石炭火力発電が縮小・廃止されると,主要材料のフライアッシュ(石炭灰)の確保が困難になる。 本研究では,火山堆積物や木質バイオマス灰などの各種未利用資源をAAMsへ適用するための,材料調整方法や施工法を開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の2023年度に得られた主な知見を以下に示す。 (a)活性フィラーとアルカリ溶液の反応性:「硬化体の圧縮強度」を基本とし,フィラーからの元素溶出性評価法として「XRF法(波長分散型蛍光X線分析装置と点滴用濾紙を使用)」と「スターラー法(ペーストを入れたビーカー内のスターラーの回転停止時間で評価)」の適用性を調べた。「硬化体の圧縮強度」は,CGSは単独でアルカリ溶液と反応して硬化し,TUとWBAは単独では硬化しないがBSと併用することで所要の強度を得ることができた。「XRF法」は溶液中の元素分析に一般に用いられる「ICP分析法」よりも簡便である。使用上の留意事項として,溶液は中和させて用いる,フィラー/アルカリ溶液は反応生成物の沈殿が生じない範囲で設定するなどが分かった。「スターラー法」は,元素ごとの溶出性は評価できないが,溶出元素のバランスの良否を評価できる可能性がある。 (b)アルカリ溶液:AAMsの製造法には「一般法」と「溶解法」がある。「溶解法」に使用する溶液のアルカリ度は「一般法」よりも高く,活性フィラーからの元素溶出性の点で有利と予想している。既往の文献ではフライアッシュ(FA)と高炉スラグ微粉末(BS)を併用した系での有効性は確認されているが,本研究室で使用しているFAとBSを用いた場合は期待したレベルの硬化体強度を得ることはできなかった。現在,原因を検討中であり,FA-BS併用系で所要の強度が得られる条件のもとでTU,WBA,CGSへ適用した場合の効果を調べる必要がある。 (c)硬化体の基礎物性:BSを使用した配合では,材齢進行にともない強度が低下する場合がある。結晶化が原因の一つと考え,XRDで結晶度と材齢の関係を調べたが,強度低下が生じた材齢56日での結晶化の進行は認められなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究遅延の、最大の理由は必要量のフィラーの調製ができなかったことにあるが,フィラーの細粉化に使用するボールミルを従来の1台から3台に増やしたことで今後の研究のスピードアップが期待できる。 各フィラーを単独使用した場合,CGSは硬化したが,TUとWBAの硬化は認められなかった。反応を促進させるためにさらに細かくした試料で検討する。
|
Strategy for Future Research Activity |
3年目の2024年度は、前年度の継続を含めた以下の検討をする。 (a)活性フィラーとアルカリ溶液の反応性:「硬化体の圧縮強度」に使用する供試体を小型円柱(直径3cm,高さ3cm)から,セメントの強さ試験で使用されている角柱(4cm×4cm×16cm)に変更する。AAMsでは供試体の形状寸法による強度の違いが,セメント硬化体よりも大きい傾向にあること,フィラーの調製効率を高めたことで必要量の調整済フィラーを得やすくなったことなどが理由である。フィラーの粒径も従来の125μmふるい通過分から40μmふるい通過分に変更し,細粒化の効果を調べる。高温高圧蒸気環境(オートクレーブ養生)での反応性についても検討する。昨年度,既存の装置を用いて130℃のオートクレーブ養生で検討したが効果は認められなかった。本年度はPTFE内筒型密閉容器を用いてより高温のオートクレーブ養生(180℃,フィラーからのSiの溶出性向上を期待)の効果を確認する。「XRF法」,「スターラー法」についても引き続き検討し,より精度の高い測定条件を見出す。 (b)アルカリ溶液:TU,WBA,CGSに対して「溶解法」を適用し,その効果を確認する。新たに,オルトケイ酸ナトリウム(AL)を用いた場合で検討する。ALは水と混合するだけで所要のアルカリ溶液を作製できる。ALでは劇物の苛性ソーダならびに高粘性の水ガラスを直接使用しなくてすむことから,AAMsの製造時の安全性ならびに溶液の調製作業が簡素化される。 (c)硬化体の基礎物性:材齢の進行に伴う強度低下の原因ならびにその対策を検討する。また,BSベースのAAMsでは化学反応にともない発生する硬化収縮が大きいことから,配合(高吸水性ポリマー添加,各フィラーの混合使用など)の点から硬化収縮抑制方法の検討をする。
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)