Project/Area Number |
22H00249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 25:Social systems engineering, safety engineering, disaster prevention engineering, and related fields
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
水津 光司 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20342800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 沙織 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (00589046)
長 敬三 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00633356)
内海 秀幸 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (10316804)
中林 寛暁 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20296320)
枚田 明彦 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40500674)
陶 良 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60327161)
佐藤 宣夫 千葉工業大学, 工学部, 教授 (70397602)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,250,000 (Direct Cost: ¥32,500,000、Indirect Cost: ¥9,750,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
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Keywords | テラヘルツ波 / 非破壊検査 / 周波数シフト帰還型レーザー |
Outline of Research at the Start |
テラヘルツ波とは、電波と光波の中間に位置し、電波の透過性と光波の高分解能性を併せ持つ電磁波である。この性質を利用することで、壁面内の欠陥検査等が可能である。代表者のグループは、周波数シフト帰還型レーザーを励起光源として、全く新しい挙動をする周波数シフトテラヘルツ波(Frequency Shifted Terahertz-wave:FSテラヘルツ波)光源の開発を行い、遠隔非破壊計測の有効性を確認してきた。本研究では、現場での測定を念頭に置いた測定方法の開拓、ユーザー側からのニーズに合った測定対象の選定などを行い、FSテラヘルツ波による非破壊検査の応用展開を企画する。
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Outline of Annual Research Achievements |
A:周囲温度変化によりFSFレーザースペクトルが変化し、ビート信号測定に問題が生じることが判明したため、共振器の一部に温調を施しレーザー出力およびビート信号発生の安定化を試みた(水津)。狭窄化したFSFレーザー光線幅とFSミリ波出力との相関を計測し、FSミリ波の低周波数化の限界値を模索し、狭窄化後のFSFレーザーおよびCWレーザーの最適なパワーバランスを決定した(水津)。
B:圧縮センシング処理(FISTA)による合成開口アレーに必要な素子数削減効果をシミュレーションで確認した(長)。イメージングの線形性と高分解能の両立を目指して時間領域反復収縮法を考案し有効性を確認した(陶)。POLSAR法による欠陥形状精密推定法の確立を目的とし、FDTD法とレイトレーシング法を融合させたシミュレーションを検討した。高精度推定を可能とする手法の確立に向け、材質や欠陥形状を変化させ有効性や補正法に関する検討を行った(中林)。アンテナの先に微小誘電体を取り付けることによりフォトニックジェット効果を発生させ、プローブアンテナから放射されるビームの狭幅化によるコントラスト向上の検討を行った。(枚田)。
C:波形が異なる複数の偏光状態でのパルス波形データに対し、波形変化が複屈折性による時間波形変動およびその合成であるとの仮定での屈折率解析を試みた。(水津・内海)。走査型プローブ顕微鏡に使用されているFM 検出器の位相同期ループ回路の高周波化を実施した。散逸エネルギーの高感度検出のための最適周波数を見出した(佐藤・内海)。ウレタンゴム系塗膜防水層のプライマーの種類や濃度を変数とした試験体を試作し、接着状態の検知可能性について検討した。膜厚不均一性の問題などの新たな検査手法として、POLSAR法を用いた欠陥検出の有効性に関する検討を電磁界シミュレーションにより実施した。(石原・中林・水津)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A:共振器の一部を温調する事でFSFレーザー出力スペクトルおよびビート信号発生の安定化に成功した。安定化FSFレーザー光源を用いて光領域での距離測定を実施し、高速距離測定を実施した(水津)。発生周波数を90GHzに設定したFSミリ波を用い、タイル・モルタル接合サンプルに対し、表面、接着面、裏面からの反射ビート信号の観測に成功した。(水津)。
B:圧縮センシング処理(FISTA)を複数ターゲットの推定に適用し、合成開口アレーに必要な素子数をビームフォーマに比べ削減できることを確認した(長)。THzイメージングにおいて時間領域反復収縮法の基準信号の影響を検討し、時間反転用感度補正信号の自己相関による高精度の方位測定の可能性を見出した(陶)。POLSAR法の補正法として、電磁界シミュレーションにより欠陥形状と偏波特性の関係について検討した。合成開口処理後の受信波形の分析併用により、識別能力の向上が見込めることを明らかにした(中林)。3次元電磁界シミュレーションにより、プローブアンテナの先端に取り付ける微小誘電体の形状の最適化を実施し、ミリ波信号の狭幅化に成功した。(枚田)。
C:複屈折値および結晶軸を未知パラメータとし、偏光状態によるパルス波形変化を算出し、実験値との残差を最小化する形でパラメータ最適値を算出した。実験結果とよく一致するパルス波形が再現され、複屈折値および結晶軸の算出に成功した。(水津・内海)。テラヘルツ光照射可能な走査型プローブ顕微鏡用ヘッド機構を設計・製作した。エネルギー散逸量の高感度検出のため、位相同期ループ回路の内部発振周波数の最適化を図った(佐藤・内海)。ウレタンゴム系塗膜防水材の塗布の欠陥検出に対するPOLSAR法の有効性検証を実施した。密着工法と通気工法による防水材に対し、防水材剥離などの欠陥を検出できる可能性を見出した(石原・中林・水津)。
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Strategy for Future Research Activity |
A:FSFレーザー共振器全体を温度調整可能なボックス内に封入することで、さらなる出力安定化を試みる。当該光源を用いたFSミリ波発生を実施し、FSミリ波発生およびパルス光注入によるビート信号SN比向上を試みる(水津)。低周波化したFSミリ波を用い、モルタル裏面での剥離状態検査の検証を試みる。(水津)。
B:測定による素子数削減効果を確認する。またコンクリート欠陥推定の検証を試みる(長)。THzイメージング時間領域反復収縮法における基準信号の補正とパラメータの最適化を試みる。超音波方位測定における送受信指向特性の影響を検討する(陶)。層構造を持つ材料に対し、POLSAR法の有効性や補正法の継続的な検討を実施する。特に、複雑な形状推定において本手法の有効性を検証し、偏波特性の形状依存性を明らかにするとともに補正法の継続的な拡張を実施する(中林)。設計した微小誘電体を試作し、プローブアンテナの先端に取り付けた状態でイメージングを行うことにより、ひび検知の高解像度化を実証する(枚田)。
C:複屈折値および結晶軸が既知のサンプルに対し、昨年度開発した手法を適用し有効性を確認する。(水津・内海)。製作条件の異なるコンクリート試験片(鉄・マンガンの添加)に光照射し、含有している水分子の量と位置の特定に向けた実験から、水硬性能に関する知見の取得を引き続き目指す(佐藤・内海)。ウレタンゴム系塗膜防水に加えて他の接着工法の防水材(塩化ビニル樹脂系シート、EPDMゴムシートなど)の接着状態検知の可能性について検討する。様々な工法による防水材の塗布の欠陥検出について継続的な検討を実施する。特に、偏波による欠陥検出のメカニズムを実験とシミュレーションにより解明し、欠陥が受信偏波状態にもたらす作用について定性的に明らかにすることにより検出精度の向上を目指す。(石原・中林・水津)。
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