The multi-component strategy of high-turnover thin-film catalysts
Project/Area Number |
22H00277
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 27:Chemical engineering and related fields
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
町田 正人 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (70211563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳田 嘉志 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (40722426)
大山 順也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (50611597)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,730,000 (Direct Cost: ¥32,100,000、Indirect Cost: ¥9,630,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
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Keywords | 薄膜 / 触媒 / 多元素化 / ターンオーバー |
Outline of Research at the Start |
薄膜構造の固体触媒を設計するための基礎学理を構築し、高活性と長寿命とを両立するとともに資源循環に適した触媒リアクタの創出を目指す。本目的を達成するために、多元素ナノ薄膜触媒をパルスアークプラズマ法で調製する。活性成分として最大5元素を含む非平衡合金薄膜を調製し、局所構造・組成・物性を制御する。特定の反応に対して極めて高いターンオーバー頻度(TOF)を発現させ、ナノ粒子触媒を凌駕する系を探索する。組成・構造情報およびオペランド計測で獲得した反応機構情報をもとに、データ科学を駆使して新規な高TOF薄膜触媒を創出する。超高密度ハニカムを試作し、多様な反応プロセスに適合する高機能リアクタを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では2成分以上の金属元素を複合した多元素薄膜触媒の開発と高ターンオーバー頻度(TOF)の触媒反応の達成、および電子構造との相関の解明に取り組んでいる。令和5年度の実績の概要を以下に記す。 1)多元素薄膜触媒の調製とキャラクタリゼーション 複数の金属元素を複合した薄膜をパルスアークプラズマ(AP)法で調製した。耐熱性Fe-Cr-Al合金箔に多元素AP銃を用いて複合金属薄膜を製膜した。複数のAP銃の放電を正確に同期するなどの手法で、PtCu、PtNi、PtFeなどの2成分系や3成分系合金薄膜を得た。均一な合金薄膜のほかに積層膜、表面修飾型などの多様な複合膜を得た。結晶構造、微細構造、電子構造をX線回折、X線光電子分光(XPS)、二次イオン質量分析(SIMS)等によって解析した。このほか、ナノスケールで異なる表面粗さの薄膜構造を作製するとともに得られる薄膜の熱安定性について検討した。 2)高TOF反応の探索と解析 触媒反応試験の自動化およびハイスループット化により、大量の活性データを収集し、薄膜触媒の最適組成を突き止めるとともに、ナノ粒子触媒に比べて桁違いに高いTOFを発現する薄膜触媒について活性と組成および表面構造との相関を調べた。薄膜触媒特有の高活性が認められる反応としてNH3酸化に注目し、詳細な反応速度解析を行ってTOF、反応次数などのデータを集積した。このほか触媒活性を含めて得られた結果をもとに機械学習モデルを利用したデータ解析に必要となる記述子を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調製した複合薄膜の中でPtおよびCuを含む系はPt単独膜に比べてNH3酸化に高い活性を示すことに加えて、N2選択性が著しく向上することを見出した。一方、この複合膜は反応雰囲気で徐々に劣化し、その原因がPtCu合金化に伴う電子構造の変化に起因する可能性が示された。PtCu薄膜における合金化は、Pt-Cu間の電子移行に伴うXPSスペクトルの変化としても検出できた。薄膜の熱安定性について検討した結果、Al2O3バッファー層の形成による高い耐久性を実現した。また、異なる表面粗さの合金箔上にPt薄膜を形成し,NH3酸化活性に及ぼす影響について検討した結果、ナノスケールの表面粗さが減少する、すなわち表面平滑化に伴ってTOFが10倍以上増加する、当初は予測していなかった興味深い現象を見出した。この知見は複合金属薄膜触媒の性能向上を図る上で有用な知見となる。以上のように本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、令和6年度は1)多元素薄膜触媒の調製とキャラクタリゼーション、2)高TOF反応の探索と解析、および3)高TOF反応機構の解明に取り組む。1)では前年度までに引き続き、アークプラズマ法で表面構造制御された複合金属薄膜を製膜する。X線回折、蛍光X線分析、X線吸収端微細構造、X線光電子分光、二次イオン質量分析、電子顕微鏡などを用いて薄膜の組成、構造、配向性、電子状態を評価する。2)および3)では高TOFの発現が確認されているPt系膜上でのNH3酸化反応を中心に、膜組成や表面構造と活性との相関に関わるデータを集積する。熱的に安定な薄膜構造の構築によってより詳細な反応機構の解析を可能にする。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)