Superconducting and magnetic properties of van der Waals heterostructure
Project/Area Number |
22H00278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 28:Nano/micro science and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
Chen Yong 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (30806732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LUSTIKOVA JANA 東北大学, 先端スピントロニクス研究開発センター, 助教 (90847964)
熊谷 明哉 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 特任助教 (50568433)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥43,290,000 (Direct Cost: ¥33,300,000、Indirect Cost: ¥9,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥13,130,000 (Direct Cost: ¥10,100,000、Indirect Cost: ¥3,030,000)
Fiscal Year 2022: ¥21,840,000 (Direct Cost: ¥16,800,000、Indirect Cost: ¥5,040,000)
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Keywords | トポロジカル物質 / 磁性 / 超伝導 / ファンデルワールス物質 / ヘテロ構造 / スピン注入 |
Outline of Research at the Start |
理想的な二次元構造を有する原子層、1層からなる二次元材料は、理想的な電子伝導からバルクの物性を凌駕し、特異な物理現象を有する。本研究提案では、二次元材料の理想構造を最大限に活かした新規デバイスの構築として、ファンデルワールス超伝導体とファンデルワールス磁性体のヘテロ構造を構築し、原子層レベルで平坦な界面を有するオール二次元構造に置いて二次元超伝導と二次元磁性との協奏に注目する。具体的には高品質な原子層を用いたヘテロ構造の構築技術を用いて、磁性体と超伝導体のファンデルワールス界面及び低次元性に起因した物性の実験研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「ファンデルワールス超伝導体とファンデルワールス磁性体のヘテロ構造を構築し、2次元超伝導と2次元磁性との協奏に起因した物性を開拓する。」ことである。本年度は、主に精緻なデバイス構造の作製とその物性評価を可能とする研究環境の構築、本研究に対して適切な2次元材料の探索を行った。 露光装置と微細加工の環境を構築し、ヘテロ構造作製やマイクロサイズの電極作製の一連のプロセスが可能になった。STMやARPESなどの研究報告に基づいてトポロジカル超伝導体の選定を行い、スコッチテープ剥離法によりマイクロメートルスケールで平坦な薄膜単結晶を得ることができ、これを利用してテストデバイスの作製に成功した。 また、既存のクライオスタットに統合可能なマイクロ波測定プローブを新たに設計・構築した。これまで8GHzまでのスピンポンピングの測定が可能であったが、この新たなプローブにより、測定可能な周波数が18GHzまで拡張された。この拡張により、スピン吸収効率の測定誤差が改善され、超伝導状態でのスピン注入現象の更なる議論が可能になった。また、低温10K以下の温度でも実験が可能となり、対象とする超伝導体の範囲が広がった。 2次元材料、特にファンデルワールス磁性体の探索において、層数が変化すると磁性が劇的に変化するCrI3を用いてヘテロ構造を作製し、積層角度(ツイスト角)による界面磁性の変化について調べた。ツイスト角約1.9度のヘテロ構造では、磁気光学カー効果顕微鏡により、反強磁性と強磁性が共存していることを明らかにした。これは、Cr原子間距離がモアレ超格子により空間的に変調し、Cr原子間に働く交換相互作用が変化することに起因し、理論的に提案されているモアレ磁性の観測に成功した。そのモアレ磁性が電気的に調整可能であることも実証した。[Nature Commun. 13, 7348 (2022)]
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測定プローブの選定に時間がかかり遅れていたが、プローブの新たな設計・購入、測定システムの構築後は実験が一気に進展した。また、ファンデルワールス磁性体のヘテロ構造において、積層角度(ツイスト角)によるモアレ磁性の観測とその電圧制御に世界に先駆けて成功した。この結果は本研究課題に新たな側面を追加し発展させるものであることから、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2次元トポロジカル超伝導体におけるスピン伝搬メカニズムを検証・解明するために、電気的スピン注入・測定デバイスを構築し、常伝導・超伝導状態におけるスピン注入・スピン伝搬の評価実験を進める。また、磁気秩序の近接効果による2次元高温超伝導体の超伝導特性制御や超伝導発現におけるスピン励起の役割解明に取り組む。 さらに、ファンデルワールス磁性体ヘテロ構造の実験を進め、モアレ磁性において理論的に発現が示唆されているトポロジカル・スキルミオン格子やマグノンネットワークの形成について検証する。また、本研究課題で対象としている「ファンデルワールス超伝導体とファンデルワールス磁性体のヘテロ構造」において、積層角度(ツイスト角)によるモアレの概念を導入し、新たな量子物性開拓に繋げることを検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)