Elucidation of functional properties of nanoscale interfacial water by nonlinear spectroscopy
Project/Area Number |
22H00296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 29:Applied condensed matter physics and related fields
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
杉本 敏樹 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 准教授 (00630782)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥43,550,000 (Direct Cost: ¥33,500,000、Indirect Cost: ¥10,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2022: ¥27,690,000 (Direct Cost: ¥21,300,000、Indirect Cost: ¥6,390,000)
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Keywords | 水分子 / 水素結合 / 表面界面 / レーザー分光法 / 非線形分光法 |
Outline of Research at the Start |
水分子は種々の物質の表面に凝集・水和し、そのヘテロ界面は、環境エネルギー分野においては水分解反応や燃料電池などの基盤的な化学技術の舞台である。ナノ界面水の化学的機能は、多体の水分子が織りなす協同的効果がその根源にあると考えられているが、従来の手法ではその様相を分子スケールで克明に捉えることは困難であった。そこで本研究では、「固液界面のナノスケールの水素結合ネットワークにおいて、どのようにして特異な構造や物性が誘起され、それが如何にして界面水の多様な化学的機能の創発につながるのか?」という学術的『問い』を解明することを目指し、非線形振動分光研究を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
水分子は種々の物質の表面に凝集・水和し、そのヘテロ界面は環境エネルギー分野においては水分解反応などの基盤的な化学技術の舞台である。ナノ界面水の化学的機能は、多体の水分子が織りなす協同的な水素結合ネットワークの構造・ダイナミクスが根源にあると考えられるが、その様相を分子スケールで克明に捉えることは困難である。そこで本研究では、水溶液環境で動作する電気化学デバイス系に対する新たなオペランド界面分子計測を実施し、界面水の水素結合ネットワーク構造及びダイナミクスと化学的機能の相関を解明することを目的とする。 特に本年度は、水分解電気化学に着目し、モデルAu(111)電極基板試料の調整と再現性の良い表面クリーニング・アニーリング法のノウハウ構築に努めた。分光計測を可能とする水分解電気化学反応セルを構築し、更に、非破壊的なパルス光照射が可能な高繰り返しレーザーに立脚した非線形分光システムの構築を行った。特に、新規高次非線形分光法のベースとなる二次非線形光学過程に立脚し、サイクリックボルタンメトリー(種々の電位印加・反応条件)において反応電流の取得と同時に界面の非線形光学応答をin-situ計測することに成功した。 また、高次非線形分光法のベースとなる非線形光学過程について、3パルスを用いて時間領域分光法と周波数領域分光法をハイブリットさせた新方式の計測スキームを開発することに成功した。これにより、非共鳴バックグラウンドの強度を大幅に低減させる事に成功すると同時に、その強度を適度に調整することで、局所振動子(LO)として振動応答信号を増感させることにも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
非共鳴バックグラウンドの強度を大幅に低減させ、かつ局所振動子(LO)として強度調整したバックグラウンド信号を利用することで振動応答信号を増感させる分光方法論と解析法も構築をすることができた。さらに、当初想定していなかった成果として、試行錯誤の中で、ダイナミクスの違いに立脚し、ブロードかつ不均一なスペクトルの幅の評価法・分離法を開発することにも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、新たなスキームを用いた非線形分光法に立脚し、バルク液体水(溶媒水)による吸収の影響を除外して光が水溶液環境下の固/液界面にアプローチ可能な計測手法を開発する。これにより、水溶液環境下における導電性の金属・電極物質と水のヘテロ界面の実像に迫る界面分子分光研究を展開可能とする。 この手法を水分解電気化学界面や燃料電池界面に応用し、反応に直接関与する界面水分子や電極表面を反応条件下でin-situ計測するためのオペランド非線形分光システムの構築・改良・洗練化を2022年度に引き続き進める。特に、Auモデル電極において成功した電気化学反応条件下の二次非線形分光観測のスキームを高度化し、高次非線形分子計測に発展させていくための光学系を構築する。 引き続きAuモデル電極表面で観測の実証実験を行った後に、自己組織化分子膜塗布電極・錯体塗布電極・疎水性炭素電極などの典型的な電極界面のin-situ観測を電気化学条件下で行う。電極の質的な変化や劣化・機能性向上特性を観測すると共に、界面水の物理・化学的挙動の観測研究を展開する。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)