Molecular Theory of Adhesion and Its Application
Project/Area Number |
22H00335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 35:Polymers, organic materials, and related fields
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Research Institution | Kyoto University (2024) Kyushu University (2022-2023) |
Principal Investigator |
吉澤 一成 京都大学, 福井謙一記念研究センター, 研究員 (30273486)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,510,000 (Direct Cost: ¥32,700,000、Indirect Cost: ¥9,810,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,830,000 (Direct Cost: ¥9,100,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
Fiscal Year 2023: ¥14,690,000 (Direct Cost: ¥11,300,000、Indirect Cost: ¥3,390,000)
Fiscal Year 2022: ¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
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Keywords | 接着 / 量子化学 / 第一原理計算 / エポキシ樹脂 / 分子間相互作用 / 水素結合 / ファンデルワールス相互作用 / 接着界面相互作用 / 高分子 / 理論化学 |
Outline of Research at the Start |
接着剤を用いた材料の接合は、溶接に代わる重要な基盤技術であり、次世代の自動車産業や航空産業など多くの先端工業分野で極めて重要である。一方、界面現象としての接着は興味深い基礎研究でもある。金属材料、炭素材料、無機材料などの被着材と高分子との接着において、それらの界面が原子・分子レベルでどのように形成されるのかについての、分子論的理解は必ずしも得られていない。また、接着界面構造がマクロな力学特性に及ぼす影響や、接着界面の破壊挙動や劣化機構の解明も進んでいない。このような背景のもとに、本研究では第一原理計算による接着と分子間相互作用の理論研究を実施し、「接着の分子論」を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
接着剤を用いた材料の接合は、溶接に代わる重要な基盤技術であり、次世代の自動車産業や航空産業など多くの先端工業分野で極めて重要である。一方、界面現象としての接着は興味深い基礎研究でもある。金属材料、炭素材料、無機材料などの被着材と高分子との接着において、それらの界面が原子・分子レベルでどのように形成されるのかについての、分子論的理解は必ずしも得られていない。また、接着界面構造がマクロな力学特性に及ぼす影響や、接着界面の破壊挙動や劣化機構の解明も進んでいない。このような背景のもとに、本研究では第一原理計算による接着と分子間相互作用の理論研究を実施し、「接着の分子論」を確立するとともに、その成果を産業界において応用展開する。我々はこれまでに接着面に垂直な力がかけられたときの引張接着力を求める方法を開発し、応用解析を進めてきた。それらの発展として、当該年度には接着面に平行な力がかけられたときのせん断接着力、および接着剤が端点側から引き剥がされたときのはく離接着力を見積もる方法を開発し、種々の表面に対するエポキシ樹脂の接着力を総合解析した。金属銅表面に対するせん断接着応力は、接着面に対し平行に近づく方向の変位であるほど減少し、摩擦力に類似した周期的な挙動を示した。シリカ表面に対するはく離接着力は、エポキシ樹脂の力点が表面から剥がれる過程と垂直に立ち上がったエポキシ樹脂が表面から離れる過程のそれぞれで極大となり、その最大値は引張接着力の約4割だった。この結果はエポキシ樹脂がはく離方向に弱い傾向を定性的に再現した。さらにアルミナ表面におけるエポキシ樹脂と硬化剤DDSの反応過程を分子動力学計算によってアプローチし、接着界面相互作用の解析を第一原理計算によって明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
我々はこれまでに接着面に垂直な力がかけられたときの引張接着力を求める方法を開発してきた。当該年度には接着面に平行な力がかけられたときのせん断接着力、および接着剤が端点側から引き剥がされたときのはく離接着力を見積もる方法を新たに開発し、種々の表面に対するエポキシ樹脂の接着力を総合解析することに世界で初めて成功した。金属銅表面に対するせん断接着応力は、接着面に対し平行に近づく方向の変位であるほど減少し、摩擦力に類似した周期的な挙動を示すことを明らかにした。シリカ表面に対するはく離接着力は、エポキシ樹脂の力点が表面から剥がれる過程と垂直に立ち上がったエポキシ樹脂が表面から離れる過程のそれぞれで極大となり、その最大値は引張接着力の約4割だった。この結果はエポキシ樹脂がはく離方向に弱い傾向を定性的に再現している。さらにアルミナ表面におけるエポキシ樹脂と硬化剤DDSの反応過程を分子動力学計算によってアプローチし、接着界面相互作用の解析を第一原理計算によって明らかにした。これらの理論研究の成果は、経験的な要素の多い接着研究においてこれまでに全く行われておらず、当初の計画どおりに進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
炭素材料と高分子との複合材料の代表例である炭素繊維強化樹脂は、軽量かつ柔軟でありながら高い靭性をもつ。このため、炭素繊維強化樹脂は航空機や自動車の軽量化および低燃費化を実現するうえで不可欠な材料である。しかし、この複合材料には炭素材料と樹脂(主に、エポキシ樹脂)との間に弱い相互作用の界面が存在するため、衝撃を受けた際に界面剥離や脆性剥離が生じ、これが起点となり材料が破壊されるという欠点を有している。この欠点を克服する方法として、表面処理を行ったカーボンナノチューブの炭素繊維強化樹脂への添加等が実験的に提案されている。炭素材料(炭素繊維や化学修飾されたカーボンナノチューブ)と樹脂との界面は原子・分子レベルでの十分な解析が行われておらず、その接着挙動も明らかでない。今後は、炭素材料(グラフェン、数層からなるグラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェンオキサイド)と高分子の接着メカニズムを大規模第一原理計算を用いて明らかにしつつ、接着強度を向上するうえで最適な炭素表面化学修飾手法を探索する。とくに、CH-π相互作用、π-π相互作用、ファンデルワールス相互作用や水素結合等の弱い分子間相互作用を制御し、炭素材料の接着に関する設計指針を構築する。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Augmented Self-Association by Electrostatic Forces in Thienopyrrole-Fused Thiadiazoles that Contain an Ester instead of an Ether Linker2022
Author(s)
Y. Naito, R. Moriguchi, C. Kitamura, T. Matsumoto, T. Yoshihara, T. Ishi-i, Y. Nagata, H. Takeshita, K. Yoshizawa, Y. Shiota, K. Suzuki, S.-i. Kato
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Journal Title
Chemistry - An Asian Journal
Volume: 17
Issue: 4
DOI
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Peer Reviewed
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