Project/Area Number |
22H00342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 36:Inorganic materials chemistry, energy-related chemistry, and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中西 和樹 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (00188989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 主祥 京都大学, 理学研究科, 助教 (60452265)
長谷川 丈二 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任准教授 (60726412)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,900,000 (Direct Cost: ¥33,000,000、Indirect Cost: ¥9,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥12,350,000 (Direct Cost: ¥9,500,000、Indirect Cost: ¥2,850,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,350,000 (Direct Cost: ¥9,500,000、Indirect Cost: ¥2,850,000)
Fiscal Year 2022: ¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | 低密度多孔物質 / ゾル-ゲル法 / エアロゲル / 階層的多孔構造 / 有機無機ハイブリッド |
Outline of Research at the Start |
エアロゲルと呼ばれる低密度・高気孔率物質の作製において、ゲル形成化学種と共存成分との協同的相互作用による多孔構造の精密制御を行い、分子レベルからメソスケールにわたるクロススケール構造形成の詳細な機構を解明する。高気孔率・高均一性のゲル材料を基本として、力学強度を高め柔軟性を増した次世代の低密度均質多孔材料を作製し、社会実装に耐えうる力学特性と可視光透過率や断熱性能を鼎立させた材料を得るための構造制御指針を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
・溶媒・構造規定剤共存下での重合過程の解析(継続):相分離誘起に重要な役割を果たす溶媒と構造規定剤は、重合性前駆体との間で、反応ステージに依存した複雑な相互作用を示す。前年度に試行した反応系から継続して、マクロスケールの相分離の程度が異なる典型的な反応系を数種選び、小角散乱測定を中心にNMR法等も併用して、溶液中での重合体と他の成分の相互作用を抽出する測定を、重合反応の制御が容易なシリカ・シロキサン系を中心に進めた。アルミナ組成への拡張は技術的困難が生じたため次年度へ継続した。 ・有機無機混合網目系の拡張:炭化水素鎖でケイ素間をつないだ分子形態の6官能アルコキシシランを出発物質として、界面活性剤による構造規定を利用して、筒状メソ孔が2次元六方最密構造に配列した棒状骨格からなる、低密度多孔物質の構造制御手法を確立し、その機械的性質について架橋構造の異なる物質と比較することが出来た。大変形に耐える柔軟性付与の必要条件を明らかにした。 ・湿潤状態構造の高度な観察と乾燥状態の変化追跡(STEM/TEM,TG-DTA/GC-MS):溶媒共存状態で形成されたメソ構造は、乾燥過程で顕著な構造変化を起こし、多孔構造の特徴が消失する。乾燥過程の影響を最小化できる超臨界乾燥法を用い、乾燥状態で電子顕微鏡等による形態観察を行った。また、ゲル形成時の細孔中の溶媒を蒸気圧がほぼゼロのイオン液体と交換し、湿潤状態を保ったままで電子顕微鏡観察を試みた。超臨界乾燥試料ではゲル網目の構造を明瞭に観察することが出来た。さらに乾燥後の加熱過程で脱離する物質の同定を、連続した脱離ガスの分析によって行い、脱水縮合過程と構造変化の関係の調査に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリカ、シロキサン系網目の微細構造形成過程観察については、低加速電圧モードを備えた走査透過型電子顕微鏡や、小角X線散乱測定装置等の従来技術の援用によって計画通りに遂行できた。他方、アルミナ系の網目は不均一性が高く、電子顕微鏡による実空間観察からの構造情報の精度が期待したほどには高くなかった。他方、乾燥試料の高解像度電子顕微鏡観察は予想以上に詳細な情報を得ることが出来、アスペクト比の大きい(細長い)ナノメートル領域の構造単位が、低密度網目を支持しているモルフォロジーを、ここの構造単位の独立した構造情報も含めて観察し、構造規定剤のゲル網目形成に及ぼす影響を詳しく解析することができた。 ・溶媒・構造規定剤共存下での重合過程の解析(継続):相分離誘起に重要な役割を果たす溶媒と構造規定剤は、重合性前駆体との間で、反応ステージに依存した複雑な相互作用を示す。前年度に試行した反応系から継続して、マクロスケールの相分離の程度が異なる典型的な反応系を数種選び、小角散乱測定を中心にNMR法等も併用して、溶液中での重合体と他の成分の相互作用を抽出する測定を、重合反応の制御が容易なシリカ・シロキサン系を中心に進めた。アルミナ組成への拡張は技術的困難が生じたため次年度へ継続した。
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Strategy for Future Research Activity |
加水分解重縮合反応によるシリカ、シロキサン網目以外に、ヒドロシランの脱水素反応によるシロキサン系のゲル形成挙動を、散乱法によって調べ、低密度多孔質の形成可能性を探る。引き続き、超臨界乾燥法以外の溶媒除去(交換)プロセスによって、より直接に湿潤状態の構造を観察する手法を開拓する。蒸気圧が低く、極性の高い重合体との親和性が比較的良好なイオン液体を、生成した湿潤ゲル内の母溶媒相と交換し、電子顕微鏡内で直接観察する手法の導入も行う。 炭化水素鎖でケイ素間をつないだ分子形態の6官能アルコキシシランを出発物質として、界面活性剤による構造規定を利用して、筒状メソ孔が2次元六方最密構造に配列した棒状骨格からなる、低密度多孔物質の構造制御手法を類似前駆体系にも拡張する。柔軟かつ高い機械強度を実現するのに必要な、構造単位およびその化学組成について、架橋構造の異なる物質間の比較により、大変形に耐える柔軟性付与の必要・十分条件を解明する。さらに溶媒除去後の加熱過程で脱離する物質の同定を、熱分析に連結した脱離ガスの分析によって行い、脱水縮合過程と構造変化の関係を調査する。
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