Project/Area Number |
22H00361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
浅野 泰久 富山県立大学, 工学部, 名誉教授 (00222589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 拓也 富山県立大学, 工学部, 助教 (00748527)
榊原 一紀 富山県立大学, 情報工学部, 教授 (30388110)
中村 正樹 富山県立大学, 情報工学部, 教授 (40345658)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,510,000 (Direct Cost: ¥32,700,000、Indirect Cost: ¥9,810,000)
Fiscal Year 2024: ¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2023: ¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
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Keywords | 酵素 / デジタル技術 / 人工知能 / 医薬品合成 / 可溶性変異 |
Outline of Research at the Start |
複雑な構造をしている医薬品などの合成プロセスに酵素反応を導入するために、(1)酵素探索、(2)酵素最適化、(3)医薬品合成への酵素反応の導入を協奏的に進行させる。我々が開発したINTMSAlignソフトウエアなどを中心とするデジタル技術をあらゆる部分で普及・実装し、「タンパク質・酵素の構造と機能・性質との相関」という未知の研究領域を開拓し、酵素工学の社会実装を可能にする。もって、21世紀の酵素工学および医薬品産業が求める医薬品合成の効率化およびグリーン化を先導する。
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Outline of Annual Research Achievements |
課題1:酵素探索および最適化へのデジタル技術の導入 (1) Ogataea polymorpha 由来のカルボニル還元酵素OpCRD-Aにより、1,1,1-トリフルオロアセトン(TFA)を基質として、良好な鏡像体過剰率(>99% ee)で(S)-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール(TFIPL)を合成できる。酵素の生産性に課題があったので、我々が開発したHydropathy contradiction ruleを用いて、可溶性発現量を増加させる変異体V136Fを獲得した。可溶性タンパク量の比活性の向上により、単位培養液当たりの酵素活性が向上した。 (2) KEGGおよびBRENDAなどの酵素データベースを用い、有機合成に用いる化学反応に対して最適な酵素候補をEC番号として予測するモデルの作成を行った。基質2種類,生成物2種類からなるEC 3に属する酵素反応に対し、subclass(2桁目)およびsub-subclass(3桁目)を予測するモデルを開発した。BRENDAなどの文献反応12種に対して十分な予測精度が得られた。 課題2:医薬品中間体などの有用物質製造プロセスへの実装 (1)ヤスデ Oxidus gracillis 由来ヒドロキシニトリルリアーゼ(OgraHNL)は、医薬品の重要な中間体である(R)-2-クロロマンデロニトリル((R)-2-Cl-Man)の合成に対して優れた比活性とエナンチオ選択性を示した。OgraHNLと様々な基質との複合体の結晶構造を基にして、さらに最適化するためにタンパク質工学研究を行った。アルドキシム脱水酵素Oxdを用いてジヒドロイソオキサゾールを基質とし、光学活性なβ-ヒドロキシニトリル(99 % ee)を単離収率45 %で合成し、糖尿病薬をターゲットとする合成法を探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)可溶性発現 Ogataea polymorpha 由来のカルボニル還元酵素OpCRD-Aは(S)-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール(TFIPL)を優れた鏡像体過剰率(>99% ee)で合成できるが、発現量などの課題があった。我々が開発したHydropathy contradiction ruleを用いて、可溶性発現量を増加させる変異体V136Fを獲得した。多数の変異型酵素をスクリーニングすることなく、単位培養当たり発現量が向上した変異体を得ることができた。 (2)有機合成において、酵素反応の導入法が課題である。公開されている酵素データベースを用い、有機合成に用いるリパーゼの探索において、十分な予測精度が得られた。 (3)Bacillus 由来Oxdが触媒するKemp脱離反応は新規な酵素的光学分割法である。本反応を用いて4,5-ジヒドロイソキサゾールのNO結合をエナンチオ選択的に開環させ、光学活性なβ-ヒドロキシニトリルの合成を達成し、医薬品合成のルートを探索し、達成できる目途が立った。 このように、着実に本研究の課題を達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1:酵素探索および最適化へのデジタル技術の導入 (1) 医薬中間体であるフッ素含有光学活性アルコールの酵素的合成を高収率、高立体選択的に行うために、新しいカルボニル還元酵素をin silicoスクリーニングで得る。それらのフッ素含有光学活性アルコールへの有効利用を行う。(2) 人工知能等のデジタル技術の活用 大腸菌の全てのタンパク質を再構成型無細胞タンパク質合成系にて合成させた際の凝集の度合い(可溶性率)と合成量の実験結果を網羅したデータベース(eSOL)を基に機械学習機(人工知能)の構築を行う。 課題2:医薬品中間体などの有用物質製造プロセスへの実装 (1)スーパー酵素ヤスデ由来ヒドロキシニトリルリアーゼ(HNL)の医薬品合成への利用 in silicoデザインすることで高機能化したヤスデ由来HNLを用いて、光学活性マンデル酸類を高収率、高不斉収率で得る。合成した(R)-2-クロロマンデロニトリルなどを原料にした医薬品原薬の合成プロセスの開発を行う。また、高比活性であるヤスデ由来HNLのX線構造解析の結果に基づく改変を行い、ニトロメタンを求核剤として用いるHenry反応に利用する。(2) アルドキシム脱水酵素(Oxd)のKemp脱離反応の光学活性体合成への利用 Oxdにより合成した光学活性なβ-ヒドロキシニトリル類を用いて、目的とする医薬品を合成する。
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