Project/Area Number |
22H00378
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 直人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90303255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 健二 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30208954)
升屋 勇人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70391183)
楠本 大 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (80540608)
竹本 周平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90724724)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,120,000 (Direct Cost: ¥32,400,000、Indirect Cost: ¥9,720,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,270,000 (Direct Cost: ¥7,900,000、Indirect Cost: ¥2,370,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,270,000 (Direct Cost: ¥7,900,000、Indirect Cost: ¥2,370,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | ナラ枯れ / フェノロジー / カシノナガキクイムシ / ナラ菌 / 水分生理 / 植物 / 菌 / 昆虫 / 水分通道 / 壊死変色 / 胞子貯蔵器官 / 体サイズ / 共生菌 / ナラ菌Raffaelea quercivora / 樹液 |
Outline of Research at the Start |
ナラ枯れは、カシナガが媒介するナラ菌により、ブナ科樹木が萎凋症状を呈して枯死する被害である。カシナガ成虫の飛翔が5~11月の長期間みられるのにもかかわらず、枯死木の発生が7~8月にほぼ限定される原因を、カシナガの運搬するナラ菌量、樹木の防御反応、樹木の道管の形成と機能喪失、樹木の水分要求量の観点から研究する。これらの季節変動を調べ、樹種間で比較することにより、ナラ枯れの発生が特定の時期に限定的に発生する原因を明らかにする。本研究の成果は、1990年代以降に養菌性キクイムシ類と共生菌による樹木の萎凋病が世界中で流行している原因を明らかにするうえで、重要な知見が得られる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
ナラ枯れに対する感受性の季節変化に関連する要因の1つとして、木部の水分通導機能の季節変化を明らかにするため、コンパクトMRIにより、コナラ苗木の樹液流速の季節変化を可視化した。 なら彼の原因とされるナラ菌について、飛翔個体におけるナラ菌保有率や材内の広がりを正確に把握する必要がある。そこでナラ菌を特異的に検出することを目的に、ナラ菌の遺伝子のうちリボゾームDNAのITS2領域に基づき、ナラ菌種特異的プライマーとプローブを作成した。今後検出感度や精度を検証し、より高感度な遺伝子検出法を確立する予定である。本成果は今後脱出成虫が保有するナラ菌の保有率と枯死との関係や孔道の発達に伴うナラ菌の材内での広がりに関する知見の蓄積に貢献する。ナラ菌に対する宿主の感受性のフェノロジーを明らかにするため、ミズナラとコナラ各5本に対しナラ菌を2022年5月17日から10月4日まで2週間おきに繰り返し接種した。その結果、ナラ菌による変色の大きさは、いずれの個体も5~7月に最大を示し、8月以降徐々に小さくなった。カシナガの穿孔に対する樹液流出のフェノロジーを明らかにするため、ミズナラとコナラ各3本に対し2022年5月17日から10月4日まで2週間おきに繰り返しドリルで穴を開けた。その結果、6月は流出する穴の割合、樹液の量ともに小さく、いずれの時期に付けた穴でも9月が最もよく流出した。カシノナガキクイムシの体サイズと胞子貯蔵器官の穴の数は、8月にもっとも小さくなったが、胞子貯蔵期間の穴の数には統計的な有意性が認められなかった。採集時期の異なるカシノナガキクイムシの保持菌類相に違いがあるか検討するため、7月中旬の雌成虫と9月下旬の雄成虫を用い、全虫体DNAに含まれる菌類DNAの構成をgITS7-ITS4のアンプリコンシーケンシングで分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昆虫の運搬する共生菌の解析は、体サイズが小さいことに関係してDNA量が少なく、解析を困難にしているが、その他の項目は概ね計画どおりの成果が得られている
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Strategy for Future Research Activity |
MRIを使った水分通道実験では、個体数を増やすこと、時間的改造度を上げることを目標としてサンプル数を増やす。樹体内のナラ菌の分布については、qPCRを使って解析するためのプライマーの改良を目指す。ナラの缶m受精の季節変化については、植物のフェのロジーの影響と温度の影響を分離できるように、恒温槽を使った恒温条件下で接種実験を行う。カシノナガキクイムシの体サイズと胞子貯蔵期間の穴の数に関しては、遺伝的な影響と環境的な影響の相対的な重要性を明らかにするための実験を行う。カシノナガキクイムシの運搬する共生菌の解析については、一般性を見出すために解析するサンプル数を増やす。
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