Project/Area Number |
22H00396
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 42:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松脇 貴志 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20447361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 彩乃 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (10624885)
川口 真以子 明治大学, 農学部, 専任准教授 (30409388)
渡辺 雄貴 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 助教 (50781788)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,120,000 (Direct Cost: ¥32,400,000、Indirect Cost: ¥9,720,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 低体温 / 感染刺激 / エストロゲン / 視床下部 / プロスタグランジンE2 / インターフェロンガンマ / 感染 / 性周期 / 体温 / プロスタグランジン |
Outline of Research at the Start |
我々はこれまでの研究で、哺乳類の身体には感染時に体温を急速かつ強度に低下させる機構が存在し、この機構には脳内で発現するインターフェロンγが重要な働きを担うことを明らかにした。この機構の作用機序を詳細に理解し応用することができれば、手術時の温度管理や脳外科分野での低温処置などの臨床応用の可能性が広がる。そこで本応募課題では、この中枢神経制御性の低体温誘導機構について末梢の発熱・放熱器官まで視野に入れて機能的な解析を進める。一方で、独自に作出した低体温モデル動物体内の液性因子の変化を網羅的に捉えたのちAI を用いて重要度の高いものを選別し、そのプロファイルを外挿することで体温低下の再現を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
生物の体が感染性の刺激を受けると、熱源物質として知られるプロスタグランジンE2(PGE2)が間脳視索前野で働くことで体温の上昇が引き起こされる。しかし我々はこれまで、野生型マウスに体温上昇を引き起こす量の細菌毒素をPGE2合成酵素(mPGES-1)欠損(KO)マウスに投与すると、発情前期の雌特異的に体温が逆に一過性の低下を呈することを見出した。そこで我々は脳内には発熱中枢だけではなく体温低下中枢が存在するという仮説のもと。この制御機構の解明を目指している。 2023年度の研究では、mPGES-1KOおよび野生型の雌マウスにLPSを投与し、低体温を呈した個体と体温が変化しなかった個体(KO)および発熱を呈した個体(野生型)の3群の脳全域についてcFosの免疫染色を行い、それぞれの状態での神経活動パターンを解析した。 また、mPGES-1に加えて感染性体温低下に関連する因子として我々が同定したインターフェロンγの受容体(IFNγR1)の遺伝子も欠損した二重KOマウスも昨年度に引き続き実験に用いた。同マウスでは性周期依存的な感染性低体温は消失していたが、卵巣摘出して高濃度のエストロゲンを処置した状態ではLPS投与により体温低下が誘導された。 さらに、末梢組織血管内皮細胞からの感染刺激を受容した血管内皮細胞によって産生されるPGE2を脳実質に運ぶ働きをもつ因子としてPGE2トランスポーター(SLCO2A1)が働くと仮定して、血管内皮細胞特異的にタモキシフェン誘導性Creを発現するマウスとSLCO2A1 floxedマウスを交配し、同細胞特異的にトランスポーターを欠損するマウスを作出した。現在これらのマウスにLPSを投与した際の体温変化について、野生型と比較中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で用いるmPGES-1 KOラット、mPGES-1/IFNγR1 二重KOマウスおよび血管内皮細胞特異的PGE2トランスポーターKOマウスと、3種類の遺伝子組換え動物がいずれも確立され、実験に用いる個体数も予定通り得られている。これらを用いた実験も進んでおり、解析を待つ結果も順調に得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 低体温時のcFos染色像の解析により、感染性低体温時特異的に興奮する脳領域を同定する。 2. 複数の領域が候補となる可能性が考えられるため、エストロゲン受容体との二重免疫染色による絞り込みも検討する。 3. 同定領域で実際に機能する細胞の特性を同定し、オプトジェネティクスの手法を用いて同領域を活性化して体温がどのように変動するかを解析する。
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