Molecular mechanisms to detect and resolve abnormal translation
Project/Area Number |
22H00401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 43:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲田 利文 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40242812)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,510,000 (Direct Cost: ¥32,700,000、Indirect Cost: ¥9,810,000)
Fiscal Year 2024: ¥13,650,000 (Direct Cost: ¥10,500,000、Indirect Cost: ¥3,150,000)
Fiscal Year 2023: ¥13,650,000 (Direct Cost: ¥10,500,000、Indirect Cost: ¥3,150,000)
Fiscal Year 2022: ¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
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Keywords | 翻訳品質管理 / 衝突リボソーム / リボソームユビキチン化 / 異常タンパク質分解 / 非典型翻訳反応 / 統合ストレス応答 (ISR) / リボトキシックストレス応答 (RSR) / 機能欠損リボソームを分解する品質管理機構 / 脱ユビキチン化酵素 / 高速AMF / リボソーム衝突 / タンパク質恒常性 / 翻訳品質管理機構 / 異常翻訳解消 / ストレス応答 / タンパク質恒常性維持 |
Outline of Research at the Start |
正確な遺伝子発現は生命現象の根幹であり、その破綻や異常は様々な疾患の原因となる。細胞の保持する品質管理機構は、遺伝子発現の異常を解消し、恒常性を維持する。研究代表者は、異常翻訳を認識し解消する翻訳品質管理機構RQCの分子基盤とタンパク質恒常性維持機能を解明した。本研究では、異常翻訳の感知応答システムとその生理機能の解明を目指して、①異常翻訳の実体②異常翻訳を感知し細胞応答を誘導するシステム③異常翻訳の解消機構の解明、について解明を進める。本研究により、新たなストレス応答シグナルの分子実体が解明され、タンパク質恒常性維持機構の理解が大きく進むことが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、異常翻訳の感知応答システムと異常翻訳を解消するシステムの解明を目指して、昨年度までに3項目について解析を行い以下の原著論文を発表した。 ①異常翻訳の解消機構の解析:RQT複合体が衝突リボソームを40S/60S各サブユニットに解離する反応を再現し、RQT複合体のATPaseヘリカーゼによるmRNA引っ張りモデルを提唱した(Best et al., Nat Communi 2023)。衝突リボソームのユビキチン鎖をRQT複合体が認識する過程を高速AMFに直接観察に成功した(Matsuo et al., Nat Communi 2023)。機能欠損リボソームを分解する品質管理機構18S NRDにおいて異常翻訳を認識する因子Fap1を同定し、異常翻訳の実体が単独で停滞したリボソームであることを示した(Li et al., Mol Cell 2022)。また、RQC における脱ユビキチン化酵素 (DUB) の役割を見出した(論文投稿中)。 ②異常産物の分解機構の解明:異常タンパク質のCATテール付加反応におけるeIF5Aの新規機能を出芽酵母で解明した(Petr, Ebine et al., Mol Cell 2023)。さらに CATテール形成機構を哺乳類細胞の系を用いて解析し、疾患変異による欠損と表現型との関連を解析した。 ③異常翻訳を感知し細胞応答を誘導するシステムの解析:哺乳類細胞の試験管内翻訳系を用いて衝突リボソームとZNF598によるユビキチン化、RQT 複合体による解離反応を再現した(Narita et al., Nat Communi 2022)。また、哺乳類細胞における翻訳停止に伴うRS RとISRの誘導機構を解明し、リボソームが終止コドンで停止する結果、リボトキシックストレス応答 (RSR) および統合ストレス応答 (ISR) が誘導された。GCN2 は eIF2alphaリン酸化に少なくとも部分的に依存して 40S の下方制御に寄与するが、ZAK-p38 軸は 60S の上方制御に不可欠であることを見出した(論文投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定以上に以下の研究成果が得られた。①異常翻訳の解消機構の解析: RQT複合体が衝突リボソームを40S/60S各サブユニットに解離する反応を再現し、RQT複合体のATPaseヘリカーゼによるmRNA引っ張りモデルを提唱した(Best et al., Nat Communi 2023)。衝突リボソームのユビキチン鎖をRQT複合体が認識する過程を高速AMFに直接観察に成功した(Matsuo et al., Nat Communi 2023)。機能欠損リボソームを分解する品質管理機構18S NRDにおいて異常翻訳を認識する因子Fap1を同定し、異常翻訳の実体が単独で停滞したリボソームであることを示した(Li et al., Mol Cell 2022)。また、RQC における脱ユビキチン化酵素 (DUB) の役割を見出した(論文投稿中)。 ②異常産物の分解機構の解明:異常タンパク質のCATテール付加反応におけるeIF5Aの新規機能を出芽酵母で解明した(Petr, Ebine et al., Mol Cell 2023)。さらに CATテール形成機構を哺乳類細胞の系を用いて解析し、疾患変異による欠損と表現型との関連を解析した。 ③異常翻訳を感知し細胞応答を誘導するシステムの解析:哺乳類細胞の試験管内翻訳系を用いて衝突リボソームとZNF598によるユビキチン化、 RQT 複合体による解離反応を再現した(Narita et al., Nat Communi 2022)。また、哺乳類細胞における翻訳停止に伴うRS RとISRの誘導機構を解明し、リボソームが終止コドンで停止する結果、リボトキシックストレス応答 (RSR) および統合ストレス応答 (ISR) が誘導された。GCN2 は eIF2alphaリン酸化に少なくとも部分的に依存して 40S の下方制御に寄与するが、ZAK-p38 軸は 60S の上方制御に不可欠であることを見出した(論文投稿中)。
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Strategy for Future Research Activity |
翻訳品質管理機構の全容解明を目指し ①異常翻訳の実体、②異常翻訳を感知し細胞応答を誘導するシステム、③異常翻訳の解消機構について、今年度は以下を明らかにする。 ①異常翻訳の解消機構の解析:RQC経路の最終段階で異常タンパク質にCATテールと呼ばれるタグ配列が付加される分子機構を哺乳類細胞の系を用いて解析し、疾患変異による欠損と表現型との関連を解析する。また、哺乳類細胞における機能欠損リボソームを分解する品質管理機構18S NRDの機能を解析する。 ②異常産物の分解機構の解明:哺乳類細胞において、試験管内翻訳系を用いて衝突リボソームとZNF598によるユビキチン化、 RQT 複合体による解離反応を再現した。2つのユビキチン化部位(uS10とeS10)における機能分担が強く示唆されたため、各種変異細胞と試験管内再構成系を用いて、RQT 複合体による解離反応の実体を解明する。 ③異常翻訳を感知し細胞応答を誘導するシステムの解析:哺乳類細胞において衝突リボソームのユビキチン鎖をRQT複合体が認識する過程を高速AFM等で観察する。衝突リボソームの脱ユビキチン化反応の分子機構と衝突リボソーム解消における機能を解明する。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)