幹細胞の挙動を制御する神経内分泌システムの包括的理解
Project/Area Number |
22H00414
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 44:Biology at cellular to organismal levels, and related fields
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
丹羽 隆介 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (60507945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加香 孝一郎 筑波大学, 生命環境系, 講師 (60311594)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,730,000 (Direct Cost: ¥32,100,000、Indirect Cost: ¥9,630,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
Fiscal Year 2022: ¥12,090,000 (Direct Cost: ¥9,300,000、Indirect Cost: ¥2,790,000)
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Keywords | 生殖幹細胞 / 神経内分泌 / ニッチシグナル / ショウジョウバエ |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、キイロショウジョウバエの生殖幹細胞をモデル系として、動物生理学と幹細胞生物学を横断した学際的視点に立ち、幹細胞の自己複製と分化に影響を与える神経内分泌システムを解明することである。すでに研究代表者が予備的に見出しているホルモン・神経伝達物質やその受容体の候補の多くは、脊椎動物にも保存されている。よって本研究において解明される神経内分泌システムの知見は、動物種を超えた幹細胞研究に波及効果をもたらしうる。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、生殖幹細胞(fGSC)ニッチに作用する神経ペプチドであるニューロペプチドF(NPF)について、有意な進捗を得た。ショウジョウバエでは、交尾によってメスの腸内分泌細胞からNPFが分泌され、これが卵巣に受容されるとfGSCの増殖が促される。本研究では、この交尾依存的なNPF分泌とfGSCの増殖に、餌に由来する糖の中でもフルクトース(果糖)が選択的に影響を与えることを解明した。グルコース(ブドウ糖)のみを含有する餌で飼育した場合でも、「ポリオール経路」と呼ばれる代謝経路でグルコースがフルクトースに変換され、これが、腸内分泌細胞に存在する味覚受容体で感知されてNPFの分泌を促しており、グルコース摂取量が不十分だと、fGSCの増殖および造卵は活性化されなかった。以上の結果は、体内で作られた糖を腸が「味わう」ことで栄養状態を感知すること、これが交尾による生殖の活性化に必須であることを、あらゆる動物を通じて初めて示すものである。一連の成果をScience Advances誌にて発表した。 当該年度においては並行して、ニッチに作用するリガンドとして注目するべき複数の因子についての機能解析を進めた。このうち、2つのリガンドに特に注目し、これらのリガンドおよびその受容体の機能低下個体においてfGSCの増殖に表現型が得られること、またこの表現型がfGSCにおけるニッチシグナルの強度に相関することを示した。 一方、注目するリガンドのショウジョウバエ体内での変動を捉えるにあたり、液体クロマトグラフィー-質量分析法による定量を試み、NPFについては体液からの検出可能性を認めたが、他の液性因子についての検証は十分進まなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸由来NPFと生殖幹細胞の関係については、栄養や交尾刺激との関連性も含め、基礎科学的に大きな意義のあるメッセージを論文として発信することができ、期待以上の顕著な進捗をなすことができた。また、他の液性因子についても、ほぼ順調に機能解析を進行させることができた。その一方で、ショウジョウバエ体液中における注目する液性因子の挙動の解析は当初想定以上に困難な状況と言える。すなわち、期待以上の進捗と難しい局面とがあるが、総合的にはおおむね順調に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度以降は、有力なリガンドに特に注目をして以下の研究を実施する。 (1)候補受容体とリガンドの変異個体でのニッチシグナリングの解析 (2)fGSCの自己複製と分化に関与するリガンドの分泌源の特定 (3)個体内外の環境によるリガンド分泌の動態の解析 (4)複数のリガンドの相互作用の解析 (5)注目するリガンドの体液中の変動の解析。なお、この(5)の解析にあたっては、分析サンプルサイズを増大させることや、質量分析以外にもELISA法に挑戦するなどの方策を図る。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)
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[Presentation] The corpus allatum-projecting neuronsregulate reproductive dormancyvia suppression of juvenile hormone biosynthesisin Drosophila melanogaster2022
Author(s)
Kurogi Y, Imura E, Hoshino R, Mizuno Y, Nouzova M, Matsuyama S, Mizoguchi A, Kondo S, Tanimoto H, Noriega FG, Niwa R
Organizer
XXVI International Congress of Entomology
Related Report
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] キイロショウジョウバエの生殖休眠を制御する神経内分泌システムの解析2022
Author(s)
黒木 祥友, 井村 英輔, 星野 涼, 水野 陽介, Nouzova Marcela, 松山 茂, 溝口 明, 近藤 周, 谷本 拓, Noriega Fernando G., 丹羽 隆介
Organizer
日本動物学会第93回大会(早稲田大会)
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