Project/Area Number |
22H00421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 45:Biology at organismal to population levels and anthropology, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海部 陽介 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (20280521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 博文 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (70209617)
坂上 和弘 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, グループ長 (70333789)
大橋 順 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80301141)
木村 亮介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00453712)
神澤 秀明 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究主幹 (80734912)
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
若林 斉 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50452793)
西村 貴孝 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80713148)
岡崎 健治 鳥取大学, 医学部, 助教 (10632937)
米元 史織 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (40757605)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,860,000 (Direct Cost: ¥32,200,000、Indirect Cost: ¥9,660,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
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Keywords | ホモ・サピエンス / 多様性 / 身体形質 / 時代変異 |
Outline of Research at the Start |
ヒト(Homo sapiens)は外見において著しい多様性を示す一方、遺伝的な多様性は乏しいという風変わりな特徴をもっている。ヒト多様性の本質的理解には、このようなパラドックスが生じた背景を解明することが欠かせない。そこで本研究では、日本列島を中心とするアジア人を対象として、遺跡出土人骨の形態分析、ゲノム解析、生理人類学などの手法を組み合わせて、体サイズ・体型・顔面骨格などが過去数万年間に多様化した経緯とその成因を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
体格の形態解析(完新世):東京大学総合研究博物館および国立科学博物館の古人骨コレクションを参照しながら、形態計測データ採取プロトコル策定した。これに基づいて、新潟大学の古人骨コレクションについて形態データ採取を開始した。アジア地域における現代人の多様性と移動史を探るために、世界140集団の頭骨の3次元表面形状データを蓄積し、その時代・地域変異パターンの分析を開始した。 体格の形態解析(更新世):インドネシアの研究機関を訪問し、原人化石の調査に着手したほか、今後の共同研究の枠組みについての打ち合わせを行った。 遺伝学的解析:現在の日本人集団の形成過程を明らかにするために、要約統計量(ancestry marker index; AMI)を開発し、縄文人に由来すると思われる一塩基多型(SNP)208,648個を同定した。縄文人との混血比率は都道府県によって異なっており、これはおそらく縄文時代の集団サイズの差に起因していると考えられた。60種類の量的形質について縄文人集団の平均polygenic score(PS)を求めたところ、縄文人は彼らの生業に適応した表現型をもつことが示唆された。 生理人類学的解析:北海道大学と九州大学にて、生体計測のプロトコルを決定し、学生被検者を対象として暑熱・寒冷適応の生理人類学的データ採取を開始した。具体的には夏期に暑熱曝露実験(36℃)、冬期に寒冷曝露実験(19℃)を、それぞれ全身の形態計測とセットで行い、一部については顔面の表面形状スキャンとDNA(唾液)サンプル摂取も行った。 その他:班員による全体会議を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、形態学・遺伝学・生理学が協調して、アジア地域におけるヒトの体格の時空変異と、それをもたらす成因にせまろうとするものである。初年度の重要事項として、関係するメンバーが集って形態・生理データの最適な採取法を決め、順調に計画をスタートすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
「体格の形態解析(完新世)」と「生理人類学的解析」においては、昨年度の作業でデータ採取法が定まったので、当面の作業はそれに従ってデータを拡充していくことである。 「体格の形態解析(更新世)」について、次年度のフォーカスは、人類史上特異な身体サイズの矮小化を示したことで注目されるフローレス島の原人についての研究とする。「遺伝学的解析(現代人ゲノム)」は、引き続き日本人を主な対象とし、表現型の多様性における遺伝子の寄与を探求する。「遺伝学的解析(古代ゲノム)」は、さらなるデータ拡充に努める。
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