Project/Area Number |
22H00471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 53:Organ-based internal medicine and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野村 征太郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10722118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 薫 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (50375664)
山口 尊則 佐賀大学, 医学部, 准教授 (70834810)
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,900,000 (Direct Cost: ¥33,000,000、Indirect Cost: ¥9,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥12,350,000 (Direct Cost: ¥9,500,000、Indirect Cost: ¥2,850,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,350,000 (Direct Cost: ¥9,500,000、Indirect Cost: ¥2,850,000)
Fiscal Year 2022: ¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | 心房細動 / 心不全 / マルチオミックス解析 / 機序解明 / 創薬 |
Outline of Research at the Start |
これまで我々は、心房細動・心不全といった心臓疾患が発症する遺伝要因や、疾患発症の機序を解明してきました。本研究では、 (1)それぞれの遺伝要因はどの細胞でどのように分子に影響を与えるのか? (2)遺伝・環境要因によって影響を受けた細胞はどのように組織構築に寄与するか? (3)数多くの遺伝・環境要因が分子に与える機能的意義を網羅的に明らかにできるか? (4)上記の分子機序を標的とした治療法を開発して心房細動・心不全を治療できるか? という学術的「問い」を、我々が独自に開発してきた全ゲノム解析・組織シングルセルオミックス解析・変異/遺伝子の網羅的解析システム・創薬スクリーニングを駆使して解明します。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、心房細動・心不全において、ゲノム解析で遺伝要因を同定し、組織シングルセル解析で分子挙動や組織構築の機序を解明し、創薬スクリーニングで分子機序を標的とした治療法の開発を進めてきた。本研究では、(1)各遺伝要因はどの細胞でどのように分子に影響を与えるのか?(2)遺伝・環境要因で影響を受けた細胞はどのように組織構築に寄与するか?(3)遺伝・環境要因が分子に与える機能的意義を網羅的に明らかにできるか?(4)分子機序を標的とした治療法を開発して心房細動・心不全を治療できるか?という「問い」を、我々が独自に開発してきた全 ゲノム解析・組織シングルセルオミックス解析・変異/遺伝子の網羅的解析システム・創薬スクリーニングを駆使して解明することを目指している。2022年度は、心房細動(心房・心室)・心不全(心室)の心臓組織シングルセルオミックス解析と全ゲノム解析を統合して、個々の変異がどの細胞種でいかに遺伝子発現に影響するかを解析した。その結果、心房細動GWAS関連遺伝子が濃縮する細胞種を特定することに成功した。さらに、組織空間シングルセルトランスクリプトーム解析によって、シングルセル分子病理解析(CODEX, RNAscope)で細胞間相互作用やシグナル伝播を理解し、組織構築の機序を臨床像と統合して理解することができた。また、CRISPR/Cas9とシングルセル解析を統合した網羅的変異/遺伝子機能解析システムによって、心不全の発症と関わる新規の疾患関連遺伝子を同定した。さらには、遺伝要因・環境要因によって誘導される分子機序を修正できる化合物を、遺伝子発現をリードアウトとしてiPS心筋を用いたスクリーニング系で同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通りに、以下の通りに実験が進捗し、一部は論文となった成果が得られている。心臓組織シングルセルオミックス解析と全ゲノム解析の統合解析から、心房細動GWAS関連遺伝子が濃縮する細胞種を特定することに成功した。組織空間シングルセルトランスクリプトーム解析によって、シングルセル分子病理解析(CODEX, RNAscope)で細胞間相互作用やシグナル伝播を理解し、組織構築の機序を臨床像と統合して理解できた。また、網羅的変異/遺伝子機能解析システムによって、心不全の発症と関わる新規の疾患関連遺伝子を同定した。さらには、遺伝要因・環境要因で誘導される分子機序を修正できる化合物を、遺伝子発現をリードアウトとしてiPS心筋を用いたスクリーニング系で同定して論文化することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
Step 1. 細胞特異的eQTL解析と組織エピゲノム解析による遺伝要因の機能的意義の解明。心房細動や心不全の組織検体を用いたマルチオミックス解析から疾患関連シグナル経路・転写制御などを同定し、それを標的とした治療法開発を推進する。 Step 2. 組織空間的 シングルセルオミックス解析と臨床像の統合による疾患層別化。空間オミックス解析から同定された細胞間相互作用を標的としたバイオマーカーの探索・治療法開発を推進する。 Step 3. 変異/遺伝子機能の網羅的解析システムを用いた分子機序の解明。CRISPR/Cas9とシングルセル解析を統合した網羅的変異/遺伝子機能解析システム(マウス・iPS細胞)で同定された疾患関連遺伝子の機能解析を推進し、治療法開発へと発展させる。 Step 4. 創薬スクリーニングによる心房細動・心不全の分子機序を標的とした治療法開発。種々の遺伝要因・環境要因で誘導される分子機序を網羅的に解析して治療法を抽出するようなハイスループット解析系を構築する。
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