Project/Area Number |
22H00486
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 56:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 和己 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (00595184)
加藤 洋一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10815161)
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30381867)
松永 民秀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (40209581)
海野 怜 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40755683)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70444966)
杉野 輝明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70881746)
濱本 周造 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (80551267)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,510,000 (Direct Cost: ¥32,700,000、Indirect Cost: ¥9,810,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
Fiscal Year 2022: ¥15,470,000 (Direct Cost: ¥11,900,000、Indirect Cost: ¥3,570,000)
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Keywords | 尿路結石 / オートファジー / オミクス解析 / ゲノム創薬 |
Outline of Research at the Start |
尿路結石形成初期における生体内免疫応答と細胞障害に対する修復機構は、それぞれが結石形成を抑制する働きをもつが、それらの相互作用は不明である。そこで私たちは、結石の持つ3次元構造と、腎臓内のMφを含む細胞間の相互作用に着目した。本研究では、結晶工学による構造解析、分子細胞学による機能解析、遺伝統計学によるゲノム創薬を行い、従来の結石学の概念を変える「結晶溶解療法」の開発を目指す。 [1] 結晶工学に基づく結石の3次元分布マッピングとインシリコ解析によるシミュレーション [2] 分子細胞学を用いた腎細胞間ネットワーク内の結晶貪食分子機構の同定 [3] 遺伝統計学を応用した多層マルチオミクス解析によるゲノム創薬
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Outline of Annual Research Achievements |
尿路結石は、生涯罹患率が12%に達し、再発率は5年で50%と高いが、予防法は確立していない。私たちは結石マトリックスとしてオステオポンチン(OPN)を同定した。尿路結石は、ミトコンドリア傷害を介した細胞傷害をともなって、マトリックスであるオステオポンチン(OPN)の発現をへて形成される分子機構を解明した。さらにこの機序にマクロファージ(Mφ)・オートファジーが関わることを報告してきた。分子生物学的な手法により明らかにした尿路結石形成初期における生体内免疫応答と細胞障害に対する修復機構は、それぞれが結石形成を抑制する働きをもつ。しかし、それらの相互作用は不明である。そこで私たちは、結石の持つ3次元構造とマトリックス、および腎臓内のMφを含む細胞間の相互作用に着目した。本研究では、結晶工学による構造解析、分子細胞学による機能解析、遺伝統計学によるゲノム創薬を行い、従来の結石学の概念を変える「結晶溶解療法」の開発を目指す。 [1] 結晶工学に基づく結石の3次元分布マッピングとインシリコ解析によるシミュレーション:①結石薄片から結晶内の無機有機成分の分布をマッピングした。②結晶化技術を用い、結石形成時に起こるシュウ酸カルシウム結晶の二水和物、一水和物の相転移を解明した [2] 分子細胞学を用いた腎細胞間ネットワーク内の結晶貪食分子機構の同定:①腎特異的Mφ・オートファジー障害マウスを用い、各細胞の結晶貪食機能を解析した。②CRISPRスクリーニングから腎細胞間ネットワークの結晶貪食制御遺伝子を同定している。 [3] 遺伝統計学を応用した多層マルチオミクス解析によるゲノム創薬:①患者試料とモデルマウスを用いたマルチオミクス解析から腎組織での結晶貪食分子機構を解明した②構築したスクリーニング系を利用し、ドラッグリポジショニングによる創薬を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、結石マトリックスとMφを含む腎細胞間の相互関係に焦点を当て、結晶溶解作用を応用した尿路結石の新規治療法の開発を目指している。 [1.結晶工学に基づく結石の3次元分布マッピングとインシリコ解析によるシミュレーション]① 結石の3次元分布マッピングによる結晶成分と結石マトリックスの構造解析:結石サンプルを薄片化し、90%を占める結晶成分を、偏光顕微鏡・顕微ラマン分光法・フーリエ変換赤外分光法による結晶相の同定を行った。、さらに、結石マトリックスについて、蛍光免疫染色による二次元マッピングを行った。さらに結晶化技術を用い、結石形成時に起こるシュウ酸カルシウム結晶の二水和物、一水和物の相転移を解明した。 [2.分子細胞学を用いた結石マトリックスとMφの結晶貪食作用の相互機能解析]①腎特異的Mφ・オートファジー機能改変マウスを使用した結晶貪食機能の解析:オートファジー機能不全マウス、Mφの機能不全マウスに対し、シュウ酸前駆物質負荷し、腎結石形成量、結石関連因子・Mφ関連因子・脂質代謝因子の測定と、結晶接着および貪食率の解析を行った。 [3. 遺伝統計学を応用した多層マルチオミクス解析によるゲノム創薬]上部尿路結石患者のGWASのデータベース情報を集積し、結石モデルマウスから得たRNAseq, proteome, phosphoproteome情報を統合し、遺伝統計学を用いて、重要因子を探索した。患者試料についても検体採取をすすめている。尿路結石患者由来のMφを用いて、結晶貪食の新規解析プロトコルを構築し、ドラッグリポジショニングライブラリーを用いて、既存薬のスクリーニングを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
[1.結晶工学に基づく結石の3次元分布マッピングとインシリコ解析によるシミュレーション]薄片化した結石における結晶相の同定から、共同研究者とのデータの検証と議論によって、形成機序の解明につなげる。 [2.分子細胞学を用いた結石マトリックスとMφの結晶貪食作用の相互機能解析]①Mφ・オートファジー機能改変マウスを使用して、尿路結石形成時のオートファジーの機能を解明し、創薬につなげる。 [3. 遺伝統計学を応用した多層マルチオミクス解析によるゲノム創薬]遺伝統計学の手法を用いて探索した重要因子候補の妥当性を専門家とともに検証する。共同研究者との協力体制によって尿路結石患者由来のMφを用いて、ドラッグリポジショニングライブラリーからの探索を行っていく。
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