新規脳内小タンパク質NPGLによる生活習慣病発症防止メカニズムの解明
Project/Area Number |
22H00503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 59:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浮穴 和義 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 教授 (10304370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坊農 秀雅 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (20364789)
岩越 栄子 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 特任准教授 (50311296)
成松 勇樹 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 特任助教 (50994696)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,990,000 (Direct Cost: ¥32,300,000、Indirect Cost: ¥9,690,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
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Keywords | 新規脳因子 / 生活習慣病脂肪 / 脂肪蓄積 / 生活習慣病 / 新規小タンパク質 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、我々が発見した新規脳因子NPGLの脂肪蓄積の分子メカニズムの解析を通じ、生活習慣病発症阻止メカニズムの解明を目的としている。NPGLは、白色脂肪組織特異的な正所性脂肪蓄積を促すが、過度の肥満を防止し、脂肪肝などの異所性脂肪蓄積、耐糖能異常、インスリン抵抗性を惹起せずに糖尿病を発症しないことを見出している。本研究課題では、次の5つの研究を展開する。まず、NPGLによる①肝臓・膵臓、②免疫細胞、③筋肉への影響を解析する。さらに、④中枢から末梢への作用ルート、⑤個体全体での統合制御機構に関する研究を展開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、最近、新しい視床下部分泌性小タンパク質(Neurosecretory Protein GL:NPGL)を発見しており、哺乳類のラットやマウスにおいて、過食や肥満を引き起こすことを見出した。普通食摂餌下では、NPGLは白色脂肪組織特異的に脂肪を蓄積し、一方で肝臓や筋肉での異所性脂肪蓄積は生じさせないことを見出した。一方、昨今、糖尿病予防・治療として炭水化物制限食が推奨されており、大量の炭水化物食摂取は肥満や生活習慣病発症を引き起こすことは世間でよく知られた事実である。以上の背景から、高炭水化物食摂餌下でのNPGLの脂肪蓄積作用を検討する必要がある。本年度の研究では、C57BL/6系統マウスを用い、高炭水化物食摂餌下でNPGL遺伝子を過剰発現させ、白色脂肪組織及び肝臓での脂肪蓄積、血中成分への影響を調べた。 上記の条件において、2ヶ月間のNPGL遺伝子過剰発現を行ったところ、摂食量、体重、白色脂肪・褐色脂肪・肝臓・膵臓重量が有意に増加し、脂肪組織での脂肪蓄積が顕著に認められた。サンプリング時に血糖値がわずかに増加し、血中インスリン濃度が顕著に増加していた。一方、血中トリグリセリド濃度は減少していた。また、白色脂肪組織において糖・脂質代謝関連因子のmRNA発現量が全体的に減少していたが、肝臓でのde novo脂肪合成酵素や脂肪酸取り込み因子のmRNA発現量が顕著に増加していた。一方、肝臓での糖新生関連遺伝子の発現に変化はなく、インスリン抵抗性は発症していないものと考えられた。以上のことから、高炭水化物食摂餌下でNPGLは肝臓でも脂肪蓄積を促す作用はあるものの、過度な脂肪肝は引き起こしていないことが示された。つまり、NPGLは高炭水化物食摂餌下でも生活習慣病の発症防止作用があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究を遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、NPGL産生細胞特異的に活性化・不活性化可能なCreマウスを作製しており、繁殖と予備実験を進めている。本マウスを用いて、時期特異的な刺激や不活性化を行い、生じる表現型を解析する。このことでより詳細な作用機序を解明したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)