Project/Area Number |
22H00513
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 60:Information science, computer engineering, and related fields
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小野 廣隆 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (00346826)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳浦 睦憲 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (10263120)
大舘 陽太 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (80610196)
脊戸 和寿 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (20584056)
土中 哲秀 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30824982)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥40,820,000 (Direct Cost: ¥31,400,000、Indirect Cost: ¥9,420,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
|
Keywords | アルゴリズム / 組合せ最適化 / 均衡計算 / パラメータ化アルゴリズム / 局所構造 / グラフ最適化 / 多項式階層 / パラメータ化計算量 / 近似アルゴリズム / PSPACE完全 |
Outline of Research at the Start |
均衡解は多主体最適化系における安定解であり,超スマート社会における混雑・衝突の予測・制御における鍵となる概念である.本研究では,これまで最適解発見を主な対象としていたアルゴリズム設計論の対象を均衡解発見へと発展・拡大する.通常の最適化がNP, coNPに属するのに対し均衡発見はΣ2, Π2といった多項式階層におけるより上位の計算量クラス,あるいは近傍探索におけるPLS, PPADといった計算クラスに属するため,従来型の最適化研究を超えた新たな計算量理論の展開が必要となる.本研究では,超スマート社会における基盤技術を提供する,パラメータ化計算量に基づく新たなアルゴリズム工学の確立を目指す.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はこれまで最適解発見を主な対象としていたアルゴリズム設計論の対象を均衡解発見へと発展・拡大することを目指すものである.通常の最適化がNP, coNPに属するのに対し均衡発見はΣP2, ΠP2といった多項式階層におけるより上位の計算量クラス,あるいは近傍探索におけるPLS, PPADといった計算クラスに属するため,従来型の最適化研究を超えた新たな計算量理論の展開が必要となる.このような視点から本研究では研究期間を通して,大きく(A) アルゴリズム設計論, (B) 実践アルゴリズム設計の構築,(C) 計算量理論・計算限界解明,を研究テーマとして取り組んでいる.2022年度とその繰越年度では査読有論文20本の多くの結果が得られた(詳しくは論文リストを参照されたい).ここでは主だった結果の一つであるグラフ上で行うゲームの勝敗判定に関する研究について述べる:グラフ上で2人のプレイヤーが交互に辺を抜いていき,それ以上辺が抜けなくなった手番のプレイヤーが負けであるようなゲームを考える.この辺ケイレスと呼ばれるゲームは1978年に提案された.点を交互に抜くゲームである点ケイレスに関しては勝者判定がPSPACE完全であることがわかっているのに対し,辺ケイレスの計算量はまだ未解決である(PSPACEに属することはわかるが,NPに含まれるか,あるいはNP困難・PSPACE困難性などの結果が知られていない).辺ケイレスに対し,ターン数に関する局面数の見積に基づくFPTアルゴリズムを与えるとともに,その計算量がこの種のアプローチによる高速化の限界に達していることを示した.この研究成果は組合せアルゴリズムに関する国際学会IWOCAに採択となり,Best Student Paper を受賞した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果が20本に上る査読付き論文として採録されており,またその採録先もAlgorithmica, Theoretical Computer Science誌, Discrete Applied Mathematics誌など一流誌,あるいは定評ある学術誌,ヨーロッパトップ国際会議などがあるだけでなく,上項目で説明したような受賞に至るものもあり高いレベルで研究が進んでいると言える.この他にも次年度に採録が決まっている結果もあるだけでなく,まとめ段階に入っている結果も多くあり,次年度も新たな成果が得られることが見込まれる.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は従来のアルゴリズム研究が主に注目してきたP, NP, coNPに属する最適化問題を超える計算階層に属するアルゴリズム理論・実践法の確立を目指すものである.繰越年度を含めた2年間の研究を経て,2つの観点から当初考えていたよりも本研究課題のターゲット・アプローチをより広く考える必要性があると考えている.(1)当初は主なターゲットを(ΣP2, ΠP2困難であると証明・予想されている)均衡発見と考えていたが,上述の結果のようにそれ以外にも自然かつ重要な問題がΣP2, ΠP2困難であることがわかりつつあり,本研究課題の潜在的なターゲットは非常に大きいと考えられる.(2)解の一意化のアルゴリズム設計に用いた技法は,動的計画法・パラメータ化アルゴリズム設計といったP, NP, coNPに属する最適化問題に対して開発されたアプローチをアレンジして得られたものであり,その要点は解空間の構造の丁寧な考察にある.このため,従来型のアルゴリズム設計技法の精緻化が本課題の推進につながるものとなる.以上のような観点から次年度以降,研究を推進する.
|