Holocene terrestrial response to climate changes by high resolution analyses of freshwater lake sediments
Project/Area Number |
22H00560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 63:Environmental analyses and evaluation and related fields
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
勝田 長貴 岐阜大学, 教育学部, 教授 (70377985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 利之 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (10377997)
中川 麻悠子 東京工業大学, 理学院, 研究員 (20647664)
長谷川 精 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (80551605)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥40,430,000 (Direct Cost: ¥31,100,000、Indirect Cost: ¥9,330,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,740,000 (Direct Cost: ¥9,800,000、Indirect Cost: ¥2,940,000)
Fiscal Year 2022: ¥21,190,000 (Direct Cost: ¥16,300,000、Indirect Cost: ¥4,890,000)
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Keywords | 年縞堆積物 / EASM / 植生 / 微生物 / 凝塊岩相 / 降水量 / モンスーン / 湖沼堆積物コア掘削 / 堆積物 / 完新世 |
Outline of Research at the Start |
東アジアの夏季モンスーンに伴う降水は、数十年の間隔で生じる干ばつや降水の発生に関与し、その原因の解明と将来予測は重要な課題である。本研究は、応募者が構築してきた微小領域非破壊元素定量分析法を発展させ、北海道南西部の淡水湖沼年縞堆積物研究から、夏季モンスーン降水量を年~十年単位の高解像度で復元し、これと並行して、生態系(植生、微生物)や環境(水、土壌)の変動記録を得る。これをもとに、夏季モンスーン変動に伴う集水域から湖に至る素過程を導き出し、従来研究で示される東アジアモンスーン変動の地域的不均一性の原因を明らかにし、完新世における東アジアモンスーン変動のメカニズム解明に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
東アジアの夏季モンスーンによる降水量変動は、数十年の間隔で生じる干ばつや洪水の発生に関与しており、その原因と陸域環境への影響を評価することは重要である。しかし、中国、韓国、日本含む地域の陸域環境は、過去2000年間の人為的活動によって改変されている可能性がある。そこで、本研究は、近代まで人為的影響の及ばない北海道南西部大沼の年縞堆積物に関して、そこ記録される高解像度の降水量変動を抽出し、これと並行して生態系(植生、微生物)と環境(水、土壌)の変動記録を得ることを計画している。本年度は、大沼の2箇所(最深部と中央部)においてボーリグンコア掘削を実施し、全長27 m(ONM22A)と3.9 m(ONM22B)の長尺堆積物試料を採取した。そしてX線CTスキャンを実施した結果、ONM22Aは表層6.4 m、ONM22Bは表層2.4 mが湖成層であり、それ以深は凝塊岩層で構成されることが明らかとなってきた。このことは、大沼の形成は、湖北部の北海道駒ヶ岳の噴火活動の影響を強く受けて生じたことが示すものである。一方で、表層の数mの湖成層は年縞が発達しており、高解像度の降水量変動の復元と、陸域の生態系及び環境への影響を評価できるものと考えられる。本年度は、ONM22Aの表層3 mとONM22Bの表層2 mの半割及びUチャンネルによる分取を行い、XRFコアスキャナー(ITRAX)測定、粒度・鉱物組成分析、安定同位体組成分析、花粉化石分析、色素・メタ16DNA分析に向けた試料の前処理を開始した。また、採取した2本のコアは、広範囲の粒径から構成されるため、走査型X線分析顕微鏡を用いた非破壊XRF強度の粒径効果実験を実施し、今後ITRAXで得られるXRF強度の測定及び校正法の目途を立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、北海道南西部大沼(国立公園内)の掘削に向けて、各種関係機関への許可書、掘削業者の入札等を行い、2022年7-8月にボーリング掘削を実施した。湖北東部の最深部(12 m)で、全長27 m(ONM22A)と湖中央部(9 m)で全長3.9 m(ONM22B)の堆積物コアを得た。堆積物コアは、高知大学海洋コア国際研究所へ移送保管した。そして、X線CTコアキャン測定を行い、ONM22Aは0-6.4 mが湖成層、6.4-6.7 mが火山灰層、6.7-27 mが凝塊岩層、ONM22Bは0-2.4 mが湖成層、2.4-2.7 mが火山灰層、2.7-3.4 mが凝塊岩層であることが分かってきた。ONM22Aは表層3 m、ONM22Bは表層2 mをそれぞれLチャンネルで分取し、岩相写真撮影と岩相記載解析が行われた。そして分取したLチャンネン試料は、代表者及び分担者に配布され、XRFコアスキャナー(ITRAX)測定、粒度・鉱物組成分析、安定同位体組成分析、花粉化石分析、色素・メタ16DNA分析に向けた試料の前処理を開始した。また、X線CTスキャンの結果から、2本のコアは広範囲の粒径を持った堆積物から構成されることが明らかとなったため、XRFコアスキャナーで得られるXRF強度の粒径効果を評価した。実験は、混合粉末試薬(Fe2O3とSiO2、Fe2O3とCaCO3)を用いた走査型X線分析顕微鏡(SXAM)測定で行った。結果、Fe強度は数ミクロンから1000ミクロンの範囲で急激な低下を示し、この結果は理論曲線と良い一致を示すものである。この実験結果から、粘土サイズから砂サイズから構成される粉体試料であっても、類似の粒径サイズの層準でXRF強度の較正を行えば、最大で30%のばらつきで元素含有量へ変換できることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、北海道大沼堆積物コアのうち、初年度に分取した残りのONM22A上部とONM22Bの湖成層を半割し、Lチャンネルによる分取、岩相写真撮影、岩相記載解析及び4つの研究拠点への分取試料の移送を終了させる。Lチャンネル試料は、各拠点において1-2 cm毎に分取し、定量分析に向けた準備を進める。そして、XRFコアスキャナー(ITRAX)測定は高知大学で実施し、これと並行して含水率影響補正と定量分析に向けた準備を進める。粒度・鉱物組成分析は岐阜大学で実施する。粒度組成は、酸・アルカリ処理により抽出した鉱物(ケイ酸塩)粒子をレーザー回折法(JAEA東濃の既設装置)により求める。また、アルカリ処理で抽出した生物源シリカ含有量は、ICP-AES分析で求める。鉱物組成は、岐阜大学に粉末XRD装置を新規設置し、定量分析に必要なメソッドを検討する。有機物組成分析は岐阜大学で担当し、TOC、TON及びTSの定量分析を行い、安定同位体組成のIRMS分析を行う。花粉化石分析(岡山理科大学)は8 cm程度の間隔で堆積物全体の花粉化石や色素・DNAの種類と量を把握する。色素・メタ16DNA分析(東京工業大学)についても同様にいくつかの層準で色素とDNAの抽出量を把握し分析を進める。 時間的に余裕があれば、ONM22A湖成層下部の凝灰岩層についても着手する。これらの層準は、高知大学海洋コア国際研究所既設のコア半裁装置を用いて半割する。そして岩相写真撮影、岩相解析、XRFコアスキャナー測定を行った後、半割コアを岐阜大学へ移送し、適宜分取を行い、粒度鉱物測定を実施する。そして重要層準については、花粉化石と色素・メタ16DNA分析を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Decadal-centennial-scale solar-linked climate variations and millennial-scale internal oscillations during the Early Cretaceous2022
Author(s)
Hasegawa Hitoshi, Katsuta Nagayoshi, Muraki Yasushi, Heimhofer Ulrich, Ichinnorov Niiden, Asahi Hirofumi, Ando Hisao, Yamamoto Koshi, Murayama Masafumi, Ohta Tohru, Yamamoto Masanobu, Ikeda Masayuki, Ishikawa Kohki, Kuma Ryusei, Hasegawa Takashi, Hasebe Noriko, Nishimoto Shoji and four others
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 12
Issue: 1
Pages: 21894-21894
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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