脱炭素化に向けた創エネ・リン資源回収型下水高度処理システムの開発
Project/Area Number |
22H00566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
李 玉友 東北大学, 工学研究科, 教授 (30201106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 俊昌 東北工業大学, 工学部, 准教授 (10708598)
安井 英斉 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (70515329)
増田 周平 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70552157)
久保田 健吾 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80455807)
佐野 大輔 東北大学, 工学研究科, 教授 (80550368)
覃 宇 東北大学, 工学研究科, 助教 (80853241)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,380,000 (Direct Cost: ¥32,600,000、Indirect Cost: ¥9,780,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
Fiscal Year 2023: ¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2022: ¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
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Keywords | 下水処理システム / 嫌気性MBR法 / アナモックス法 / リン回収 / 脱炭素化 / 脱炭素 / 省エネルギー / 創エネルギー / バイオガス / 嫌気性MBR / アナモックス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、脱炭素化に向けた下水処理技術革新として、有機物濃縮と嫌気性膜分離法によるメタン生成とHAPグラニュール型一槽式アナモックス(ANAMMOX)法を融合して工夫することで、水質確保とエネルギー回収・リン回収を同時に実現できる創エネルギー・資源回収型新な下水高度処理システムの確立を目指す。有機物を凝集と生物吸着で濃縮した後に嫌気性古細菌群によってメタン化し、エネルギー回収の最大化を目指す。高濃度MBRによって生成したろ過液でHAPグラニュールを培養することで、リン回収を実現しながら、脱炭素型窒素除去も確保できるという、これまでなかった革新的な下水処理システムを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脱炭素化に向けた下水処理技術革新として、有機物濃縮と嫌気性膜分離法によるメタン生成とHAPグラニュール型一槽式アナモックス(ANAMMOX)法を融合して工夫することで、水質確保とエネルギー回収・リン回収を同時に実現できる創エネルギー・資源回収型新な下水高度処理システムの確立を目指す。有機物を凝集と生物吸着で濃縮した後に嫌気性古細菌群によってメタン化し、エネルギー回収の最大化を目指す。高濃度MBRによって生成したろ過液でHAPグラニュールを培養することで、リン回収を実現しながら、脱炭素型窒素除去も確保できるという、これまでなかった革新的な下水処理システムを開発する。本研究の目的を達成するために、R4年度では(1)有機物濃縮・高濃度嫌気性MBRの最適化と(2)高濃度型一槽式HAP-Anammox法の最適化に関する室内小型実験を行い、基礎的検討を行った後、R5年度では次の実験的検討を行った。 (1)微生物群集構造の解析と制御メカニズムの研究:本開発技術の要素技術である微生物の動態を解析し、水温と関連する代謝活性や負荷能力を把握した。また反応能力や処理プロセスパフォーマンスと関連させて制御方法を確立した。 (2)下水水温による影響の把握:流入下水の水温は年間を通して大きく変動し、特に秋期から冬期にかけて温度が著しく低下する地域があり、アナモックスへの影響が大きくなる。そこで、水温を25℃、30℃、15℃に変化させて1槽式アナモックスの運転性能に及ぼす温度の影響を把握した。 (3)鉄の移動、変換、回収の分析:鉄凝集ユニット、嫌気性MBRユニット、鉄酸化再生槽および一槽式HAP-Anammoxにおける鉄の挙動を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、下水処理における脱炭素化の技術革新として、①鉄凝集剤と生物吸着で強化された有機物の濃縮、②高濃度嫌気性膜分離法によるメタン発酵の効率化、③HAPグラニュール型一槽式アナモックス(Anammox)法の組み合わせを工夫して実証することで、水質確保、エネルギー自給・リン回収を同時に実現できる創エネ・リン資源回収型下水処理システムの確立を目指す。嫌気性MBRシステムの更なる高度化と社会実証を目指して前段に有機物濃縮を導入し、後段にリン回収型アナモックスユニットを工夫して様々な地域(温度)と放流基準に対応できる新規脱炭素型全体システムの最適化を図るものである。R4とR5年度の取り組みにおいて、室内の基礎的検討により、鉄凝集ユニット、高濃度嫌気性MBRによるメタン発酵ユニット、嫌気性MBRろ液を処理する一槽式アナモックスユニットおよび高負荷活性汚泥法などの各ユニットの設計と運転条件を把握できた。実験的研究はほぼ計画通りに進行した。研究は予定通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験的研究はおおむね計画通りの成果が得られたので、令和6年度以降はシステム評価を中心に次のように取り組む予定である。 (1)パイロットプラントのパフォーマンス解析:パイロット装置の通年運転により省エネルギー、高負荷、汚泥発生量の少ないシステム性能を明らかにする。また最適制御方法を求めて、以下の実験及び解析を実施する。1)再生凝集剤の投入量、下水流量、pH、DO、温度、MLSS濃度等の計測センサーを設置し、データを収集し、どのような計測変数がプロセスに影響しているかについて多変数解析等を用いて解析を行う。2)特にAnammox反応槽はどう制御すれば、安定した窒素処理及びリン回収性能を維持できるかについて研究を行う。 (2)数理モデルによる運転の最適化:得られた研究成果に基づき、プロセスの数式化・モデル化を行う。また、運転条件における汚染物質除去と微生物の群集変化への影響をシュミレーションする。汚染物質除去効率の最大化、汚水処理費用の削減、運転管理コストの削減等を同時に可能とする運転の開発に有用な指針を提供する。 (3)システム評価と応用検討:複合生物処理システムの最適組み合わせを構築し、LCA法評価システムを通る実験データに基づいた体系的な評価を行う。新規システムの水質浄化、創エネルギー、低炭素及び経済性効果などを多角的に評価し、普及のためのシナリオをつくる。なお、下水処理のシステムにおける病原性微生物を検出し、その動態を把握することは、感染症による人の健康への被害を防止するために必要不可欠である。それで、本研究では衛生安全性の評価を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)