血管組織内微視的力学場の定量による瘤発生機構解明と力学環境操作による病理応答制御
Project/Area Number |
22H00584
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 高伸 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (00468852)
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20532104)
片岡 大治 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (40359815)
青木 友浩 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40633144)
氏原 嘉洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥41,860,000 (Direct Cost: ¥32,200,000、Indirect Cost: ¥9,660,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2022: ¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
|
Keywords | 血管 / 動脈瘤 / 力学場 / 血管組織 / 血管リモデリング / 脳動脈瘤 / 組織反応 / 微視的力学場 / リモデリング / 超音波顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
脳動脈瘤とは,脳血管の局所的なコブである.脳動脈瘤の発生仮説として,申請者は,「血管組織内力学場の異常変化が脳動脈瘤の真因である」という新仮説『構造説』を立てた.本研究では,計算科学と生物科学を一体化させた新たな方法論をもとに『構造説』の実証を目指す.具体的には,マルチスケール構造計算により血管組織内の力学場を微視的レベルで定量化し,力学場の変化と細胞の機能異常との関連を立証する.また,動物実験モデルにより,血管壁内の力学場を制御することで,血管組織の破壊性応答を誘発できるか,また,動脈瘤の発生を抑制できるかについて検討する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
脳動脈瘤とは,脳血管の局所的なコブである.脳動脈瘤の発生仮説として,本研究では「血管組織内力学場の異常変化が脳動脈瘤の真因である」という新仮説『構造説』を立てた.本研究では,計算科学と生物科学を一体化させた新たな方法論をもとに『構造説』の実証を目指す. 2022年度は、ラット前大脳動脈/嗅覚動脈(ACA/OA 分岐部)を対象として、ここに誘導される動脈瘤が発症しても拡大しない理由を明らかにした。具体的には、異常血管ひずみの対して生体組織が脆弱化するという病理反応を導入した計算力学モデルを構築した。計算の結果、ACA/OA分岐部において,病態が進行してもACAの軸方向ひずみが大きい領域が下流側遠方には拡大しないために内弾性板が脆弱化する領域が限局されることがわかった.このことが本動脈瘤が分岐部遠方に拡大・成長しない理由であることを示すとともに、血管組織力学場の異常が動脈瘤の成長に関与することを明らかにした。. 超音波顕微鏡により血管組織の音響インピーダンスマップおよび音速マップの取得を行った。結果として、血管組織のおける中膜や内弾性版と対応するであろう微視的音響場の取得はできたが、計測結果の妥当性検証や再現性の検証に追加実験が必要であることが示された。また、コラーゲンゲルに対して同様の計測を行ったところ、コラーゲン濃度が上昇するととももに、一定濃度までは音響インピーダンスが増加する傾向があることが認められ、生体材料においても材料物性値と音響インピーダンスおよび音速には関係がありそうであることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有限要素法による微視的力学場の計算は概ね順調である。特に2022年度は組織反応を取り入れたシミュレーションによる病変の再現や病変部の力学場の可視化に成功した。一方、超音波顕微鏡の導入に若干ラグがあったため、組織の音速および音響インピーダンス画像の取得に遅れが出ており、この部分については2023年度に強化する。
|
Strategy for Future Research Activity |
超音波顕微鏡を用いた血管組織の微視的材料物性計測について強化する。超音波顕微鏡により音響物性を計測し、それを材料力学物性に変換するための基礎研究を重視する。計算については2022年度に予定以上の進捗があったため、2023年度はすこし抑える。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)