Practical research on indigenous African knowledge: Towards a sustainable symbiotic society
Project/Area Number |
22H00920
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
田原 範子 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (70310711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波佐間 逸博 東洋大学, 社会学部, 教授 (20547997)
松田 素二 総合地球環境学研究所, 研究部, 特任教授 (50173852)
榎本 珠良 明治学院大学, 国際学部, 准教授 (50770947)
梅屋 潔 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80405894)
森口 岳 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (00749848)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
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Keywords | アフリカ在来知 / コンヴィヴィアリティ / 共生原理 / シティズンシップ / 多文化主義 / ウブントゥイズム / ウガンダ / カメルーン / ガーナ / 南アフリカ共和国 / 社会的包摂 / 生業にもとづくネットワーク / 共生の思想ウブントゥイズム / 遊動民のライフヒストリー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、アフリカの社会学的調査を通して、社会的包摂にかかわる課題の解決に貢献しようとする。 植民地支配による暴力と独立後の社会的政治経済的動乱を経験したアフリカの人々は、多様な生業(漁業、農業、牧畜)を基盤とした生活を維持するために、他者と共に知恵と工夫をこらして共同体を形づくってきた。 世界最大の難民受け入れ国の一つであるウガンダを中心としてフィールドワークを実施し、①他者との連帯・協同にかかわるローカルな実践と②人間、動物、自然を含めた他者との共生をはかるアフリカ在来知の解明を通して、現代社会における課題(社会的格差拡大と不寛容性の高まり)に対応する新しい共生モデルを創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アフリカにおけるフィールドワークをとおして、①他者との連帯・協同にかかわるローカルな実践、②人間、動物、自然を含めた他者との共生をはかるアフリカ在来知を明らかにすること、こうして得られた成果により、③多様な人びとが共に暮らすことを可能とする共生原理を解明することである。社会的格差拡大と不寛容性の高まる現代社会において、アフリカ在来知を基盤とする共生原理を提言することにより、社会的包摂にかかわる現代的課題への解決に貢献しようとするものである。 2022年度は、地域住民たちの生業にかかわる人・モノ・自然の循環的ネットワークを明らかにすることを試みた。田原は、ウガンダ・西ナイルの漁労社会とガーナ・アシャンティ州における農耕社会、波佐間はウガンダ北部モロト近辺の牧畜社会、榎本は、ウガンダ北部の紛争後社会、研究協力者森口は、ウガンダの首都カンパラのスラムにおいてフィールドワークを実施した。その成果として、牧畜・漁労・農耕・紛争後の社会においては、生業活動において自然や動物やモノを含めた他者と共生する状況の一端が明らかになった。とりわけスラムや境界地帯において、モビリティの高まりが加速されている。また各自のフィールドにおいてキーパーソンのライフヒストリーの聞き取り調査を進めている。 在来知の思想性・哲学性については、松田が中心となって理論構築を進めている。梅屋は研究協力者ニャムンジョと共にカメルーンにおける王族の儀礼に参加し、ジュジュ(juju)の哲学性について成果を報告した。研究協力者であるEria教授(マケレレ大学)、Kirumira教授(ステレンボッシュ高等研究所)、Senah教授(ガーナ大学)、Nyamnjoh教授(ケープタウン大学)と研究交流による連携を進め、フィールドワークにおける成果を共有とアフリカ在来知の理論化をはかる準備を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各自がフィールドワークを実施し、研究成果をあげることができている。 海外研究協力者との連携も順調で、ワークショップ等の企画を進めている。 アフリカ在来知の理論化については、端緒についたところであるが、 2023年度以降も研究会を開催して継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、田原・波佐間・森口・榎本・梅屋は、2022年度の成果に基づいて、生活の場におけるフィールドワークを継続し、在来知の活用についてさらなる研究を進める。具体的には、他者との相互作用にかかわる事例を収集すること、それにより特定したキーパーソンのライフヒストリーの聞き取り調査を継続することである。また文献研究と宗主国英国のThe National Archivesでアーカイヴワークを実施し、アフリカ在来知の通時的変化を明らかにすることを試みる。こうした研究成果については、研究会を開催し、情報共有をはかる。 2024年度は、2023年度までの研究成果をとおして、他者との「共生」の基盤にある原則を明らかにするために、海外研究協力者を含めて参加するワークショップの開催を企画する。各フィールドに観察される共生原理は、アフリカ在来知の多様性を反映するものであり、その解明においても多元的な方法で行う必要があると思われる。2025年度のワークショップ開催をとおして、〈コンヴィヴィアリティ〉〈ウブントゥイズム〉などのアフリカ哲学の概念を精緻化する。他者受容と葛藤の解決にかかわる在来知の理論化をはかる過程をとおして、アフリカ哲学の多様な存在を解明することができると推察される。こうした成果を、学術雑誌の特集号または書籍にまとめたいと考えている。2026年度は日本国内の学会においてアフリカ在住の研究協力者を招聘して、関係学会でアフリカ的「共生モデル」の分科会を開催し、研究成果公開を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)
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[Book] Bouncing Back: Critical Reflections on the Resilience Concept in Japan and South Africa2022
Author(s)
Maho Araki, Tamara Enomoto, Kolawole Gbolahan, Toru Hamaguchi, Itsuhiro Hazama, Minga Mbweck Kongo, Masayuki, Komeyama, Kharnita Mohamed, Gaku Moriguchi, Zuziwe Msomi, Francis B. Nyamnjoh, Berni Searle, Marlon Swai, Noriko Tahara, Toshiki Tsuchitori, and Kiyoshi Umeya
Total Pages
438
Publisher
Langaa RPCIG
ISBN
9789956552238
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