Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
地震は地下深くにおける岩石の破壊現象である。岩石の破壊強度は応力にして数千気圧(数百MPa)程度だが、地震発生場における応力は地震の前後で10気圧程度しか変化しない。この事実は、地震が岩石破壊強度よりもかなり低い応力のもとで発生していることを示唆する。そのことを裏付けるように、潮汐などによる0.1気圧以下の微弱な応力変動も地震発生頻度と相関しうることが最近の高精度観測により分かってきた。本研究では、この現象を「応力摂動に対する感受性の増大」として力学系的に理解することを目指す。具体的には、断層破壊過程を力学的にモデル化し、地震発生頻度が応力摂動に対して鋭敏になる条件を定量的に調べる。