Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
北西太平洋モンスーンは台風の発生に大きく関わっている。夏季にインドシナ半島の北緯15度付近から熱帯太平洋北西部へ東に伸びるモンスーントラフと呼ばれる低圧部に沿って、低気圧性の回転を持つ東西に広い帯状の領域が生じ、台風の発生に好都合な背景渦度場と水蒸気収束をもたらすためである。このトラフの変動メカニズムを解明できれば台風発生リスクの予測精度の向上に大きく寄与する。現在スーパーコンピュータ「富岳」で、世界初の全球雲解像海洋結合モデルによる台風早期予測シミュレーションが進められている。本研究はそのデータを解析することにより、トラフの振る舞いにおける海洋との相互作用の役割を解明し定量化するものである。